【徹底解説】Outlook のデータをSQL Server のリンクサーバーにノーコードで連携する方法

兵藤朋代
兵藤朋代
コンテンツスペシャリスト
業務で利用しているSQL Server にOutlook のデータを統合したい方向けに、リンクサーバーを活用したアプローチを紹介。CData ODBC DriverのSQL Gateway 機能を使うことで3ステップ設定。使い慣れたSQL Server からOutlook データに手軽にアクセスできるようになります。



本記事では、SQL ServerのTDS Remoting 機能を使ってOutlook にリンクサーバーとしてシームレスに連携する方法を解説します。この連携には、CData ODBC Driverに同梱されているSQL Gateway を使用します。この方法により、SQL Server のインターフェースからOutlook への読み書き双方向のアクセスが可能になり、既存のSQL Server 環境で外部データを活用できるようになります。スクリーンショット付きで紹介していくので、初心者の方でも簡単に設定できます!

Outlook をSQL Server のリンクサーバーとして利用する3つの主要シナリオ

  • SQL Server に接続しているアプリケーションでOutlook のデータを利用したいがデータ接続を増やしたくない
  • Outlook のデータをSQL Server のデータや他のリンクサーバーのデータをJOIN などして使いたい
  • 利用したいミドルウェア・BI ツールなどにODBC やJDBC の汎用のインターフェースがないが、SQL Server には接続できる

【準備編】Outlook ODBC DSNの設定方法

まずは、本記事右側のサイドバーからAPI ODBC Driver の無償トライアルをダウンロード・インストールしてください。ODBC ドライバーのインストール完了時にODBC DSN 設定画面が立ち上がります。または、Microsoft ODBC データソースアドミニストレーターを使ってDSN を作成および設定できます。

OAuth 認証の設定

Microsoft Graph API は認証に OAuth 2.0 を使用します。OAuth 認証情報(Client ID と Client Secret)を取得するには、Microsoft Azure Portal でアプリケーションを登録する必要があります。

OAuth 認証情報の取得

  1. Azure Portal にログインします。
  2. Azure Active Directory > App registrations に移動します。
  3. New registration をクリックして新しいアプリケーションを作成します。
  4. アプリケーション名を入力し、適切なアカウントの種類を選択します。
  5. Redirect URI をアプリケーションのコールバック URL に設定します(デスクトップアプリの場合は http://localhost:33333 など)。
  6. Register をクリックしてアプリケーションを作成します。
  7. アプリケーションの概要ページで Application (client) ID をコピーします。これが OAuthClientId になります。
  8. Certificates & secrets に移動して、新しいクライアントシークレットを作成します。
  9. クライアントシークレットの値をコピーします。これが OAuthClientSecret になります。
  10. API permissions に移動して、必要な Microsoft Graph API の権限を追加します:
    • Mail.Read - メールメッセージへのアクセス用
    • Contacts.Read - 連絡先へのアクセス用
    • Calendars.Read - カレンダーイベントへのアクセス用
    • Tasks.Read - To Do タスクへのアクセス用
    • offline_access - リフレッシュトークンの取得用
  11. Grant admin consent をクリックして、これらの権限を付与します。

OAuth での接続

以下の接続プロパティを設定して接続を確立してください:

  • AuthScheme:OAuth に設定します。
  • InitiateOAuthGETANDREFRESH に設定します。CData API Profile for Outlook が OAuth プロセスを自動的に進め、アクセストークンを取得します。
  • OAuthClientId:Azure Portal の Application (client) ID に設定します。
  • OAuthClientSecret:Azure Portal のクライアントシークレットの値に設定します。
  • TenantId:Azure AD のテナント識別子(GUID または 'contoso.onmicrosoft.com' のようなドメイン名)に設定します。
  • CallbackURL:アプリ登録で指定したリダイレクト URI に設定します(デスクトップアプリの場合は http://localhost:33333 など)。

接続文字列の例

Profile=C:\profiles\Outlook.apip;AuthScheme=OAuth;InitiateOAuth=GETANDREFRESH;OAuthClientId=your_client_id;OAuthClientSecret=your_client_secret;TenantId=your_tenant_id;CallbackUrl=http://localhost:33333;

【設定手順1】SQL Gateway でOutlook ODBC DSN をセットアップする方法

CData ODBC ドライバにはSQL Gateway が同梱されています。このSQL Gateway に、Outlook ODBC Driver をサービスとして設定します。

  1. 「スタート」画面から「SQL Gateway」を起動します。青い「C」のSQL Gateway ロゴが右下のインジケータに表示されます。 アプリケーションコンソールが開かない場合には、SQL Gateway アイコンを右クリックして、「Open Application」をクリックしてください。
  2. アプリケーションコンソールの「Service」タブを開いて、「Add」をクリックして、新しいODBC データソースを設定します。
  3. Outlook ODBC の設定を行います。
    サービス名:任意
    リモーティングDB:TD(SQL Server)を選択
    データソース:ドロップダウンでCData Outlook Source Sys を選択
    ポート:使用していないポートを選択
    CData Outlook ODBC Driver設定画面 - SQL Gatewayでの設定方法
  4. 次に「ユーザー」タブ→「追加」からユーザーを登録します。
    ユーザー毎にFull アクセスか、Readonly か、None の権限を選択できます。
    複数のODBC データソースがある場合には、データソース毎に権限の設定が可能です。
    SQL Gateway ユーザー権限設定画面 - Outlookデータアクセス権限の設定方法
    「OK」を押して、ユーザー登録を完了します。 その後「変更を保存」で設定を保存します。
  5. SQL Gateway の「サービス」タブで「開始」ボタンを押して、サービスを起動します。サービスの左側の〇が緑色になれば、サービスは起動中です。

【設定手順2】SQL Server でOutlook リンクサーバーを構築する方法

SQL Gateway 側でサービスの設定が終わったら、SQL Server 側でOutlook サービスをリンクサーバーとして使う設定をしましょう。

  1. SQL Server Management Studio (SSMS) を開きます。
    オブジェクトエクスプローラーの「サーバーオブジェクト」で「リンクサーバー」を右クリックして、「新しいリンクサーバー」をクリックします。
  2. 新しいリンクサーバーの設定画面の「全般」で、以下を入力します。
    サーバー種類:その他データソース
    プロバイダー:Microsoft OLE DB Driver for SQL Server
    データソース:この例の場合、localhost, 1433
    カタログ:ODBC DSN 名を入力
    SQL Server リンクサーバー設定画面 - Outlookをリンクサーバーとして追加する方法
  3. また、「セキュリティ」では、「このセキュリティコンテキスト」を選択して、リモートログインにSQL Gateway にユーザー設定したUser 名とPassword を入力します。

これで、リンクサーバーの設定は終わりなので、「OK」を押して設定を保存します。

【活用例1】SSMS(SQL Server Management Studio)でOutlook データを操作する方法

SSMS のオブジェクトエクスプローラーのリンクサーバー下にOutlook のリンクサーバーが作成され、「テーブル」下にOutlook のデータがアプリ単位でテーブルが生成されます。
新しいクエリを選択し、Outlook のデータを取得してみます。

実践的なSQL クエリの例と解説

SELECT * from リンクサーバー名.CData Outlook Source Sys(ODBC DSN 名).Outlook.テーブル名

このように、API のリクエストではなく通常のSQL 構文でデータを扱うことが可能になっています

【活用例2】Visual Studio からOutlook のリンクサーバーに連携する方法

Visual Studio のサーバーエクスプローラーの「データ接続」を右クリックし、「接続の追加」をクリックして、データソースの選択画面を開きます。 データソースの選択画面でデータソースを「Microsoft SQL Server 」に選択して、「続行」を押します。

Visual Studio での接続設定とクエリ実行手順

「接続の追加」画面で、以下を入力します。
サーバー名:SQL Server のサーバー名
認証:任意の認証方式
データベース名の選択または入力:※master など
※リンクサーバーを直接データベース名として入力することはできないようです。なので上位のデータベース名で設定しておきます。

Visual Studio でのOutlookリンクサーバー接続設定画面 - データ連携の設定方法

「テスト接続」をして大丈夫であれば、「OK」を押して設定を完了させます。

「新しいクエリ」で、SQL でSELECT 文を書いてデータを取得してみます。

SELECT * from リンクサーバー名.CData Outlook Source Sys(ODBC DSN 名).Outlook.テーブル名

このように、通常のSQL Server のリンクサーバーと同じようにVisual Studio 内Outlook のデータを扱うことが可能になります。 他のIDE でもSQL Server にアクセスする方法でOutlook のデータにSQL でアクセスが可能になります。
複数データソースのJOIN などを行う場合には大変便利です。

【応用編】Outlook データとSQL Server データを組み合わせた高度な活用例

リンクサーバーの真価は、異なるデータソースを組み合わせた分析や処理にあります。以下に実践的な活用例をご紹介します。

複数データソースの結合(JOIN)によるデータ統合

SELECT
  s.customer_id,
  s.customer_name,
  o.order_id,
  o.order_date,
  o.total_amount
FROM
  Sales.Customers s
JOIN
  リンクサーバー名.CData Outlook Source Sys.Outlook.Orders o
ON
  s.customer_id = o.customer_id
WHERE
  o.order_date > '2023-01-01'
ORDER BY
  o.total_amount DESC

このクエリ例では、SQL Server内の顧客データとOutlook 内の注文データを顧客IDで結合し、2023年以降の注文を金額順に表示しています。

おわりに

このようにCData ODBC ドライバと併用することで、Outlook を含む270を超えるSaaS、NoSQL データをSQL Server に連携できます。30日の無償評価版が利用できますので、ぜひ自社で使っているクラウドサービ スやNoSQL と合わせて活用してみてください。

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API Driver で Outlook のライブデータに接続

Outlook に接続