
こんにちは。CData Software Japan の杉本です。
昨年2025年10月に発表されたGemini Enterprise ではMCP に対応したエージェントを開発・提供することができるようになりました。
https://cloud.google.com/blog/ja/products/ai-machine-learning/introducing-gemini-enterprise
ただ、MCP に対応したエージェントの開発はADK を利用する必要があるなど、いくつかポイントがあります。
そこで今回の記事ではADK を使ったMCP に対応したエージェントの開発からGemini Enterprise への展開方法まで詳しく解説していきます。
作成するエージェントのイメージ・アーキテクチャ
今回作成するエージェントは「CData Connect AI」を経由してkintone やSalesforce などのデータにアクセスし、生成AI を駆使したデータの活用に繋げることができるエージェントです。
https://jp.cdata.com/ai/

Gemini Enterprise では以下のような利用イメージになります。

アーキテクチャは以下のとおりで、ADK で開発したエージェントをVertex AI Agent Engine にホスティングし、CData Connect AI 経由で外部の様々なクラウドサービスをLLM のコンテキストに加えていきます。

またLLM としてはGemini を利用し、最終的なユーザーのフロントエンドはGemini Enterprise になります。
それでは実際に開発・展開の仕方を確認していきましょう。
なお、Windows ではADK のデプロイで引っかかってしまう問題があったので、今回私はWindows Subsystem for Linux (WSL) でUbuntu を起動してそこで実施しました。
ちなみにGemini Enterprise のトライアルは以下の記事を参考にしてみてください。
Gemini Enterprise のトライアルを試してみよう
Google CLI のインストール
ADK のエージェント開発にはGoogle CLI が必要となるので、まずはGoogle CLI をインストール・セットアップします。
https://docs.cloud.google.com/sdk/docs/install-sdk?hl=ja#deb
gcloud auth login
gcloud config set project
また、ADK でログインできるように、application-default login を設定しておきましょう。
gcloud auth application-default login
https://docs.cloud.google.com/sdk/gcloud/reference/auth/application-default/login
次にAgent Engine を利用するために Vertex AI API と Resource Manager API を有効化します。
gcloud services enable aiplatform.googleapis.com
gcloud services enable cloudresourcemanager.googleapis.com


ADK でエージェントをデプロイするためにはGoogle Cloud Storage のバケットがあらかじめ必要になるので、以下のように展開用のバケットを作成しておきます。
gcloud storage buckets create gs:// --location=us-central1

ADK 開発環境セットアップ
次にADK の開発環境をセットアップしていきます。
開発はPython で進めます。Python のパッケージ管理ツールとしてはUV を利用しました。
https://docs.astral.sh/uv/
まずはエージェント開発用のフォルダーを作成し、UV を実行、Python 仮想環境を立ち上げます。
mkdir agents
cd agents
uv init
uv sync
source .venv/bin/activate
python --version
Python 3.12.3
構成した仮想環境にADK インストールします。
https://google.github.io/adk-docs/
uv add google-adk
adk --version
adk, version 1.23.0
このフォルダでMCP と連携したエージェントの開発を進めていきます。
CData Connect AI の環境セットアップ
エージェントの開発に入る前にCData Connect AI の環境をセットアップしましょう。
「https://jp.cdata.com/ai/signup/」からCData Connect AI のトライアルにサインアップします。
サインアップが完了すると、以下のようにWelcome ページが表示されるので、表示内容に従って進めていけば基本的にはOKです。
まず、以下の画面では「Connect Data to AI」を選択し

対象のデータソースとして今回は「kintone」、接続先のサービスとして「MCP」を選択、次に、kintone への接続に必要な情報を入力します。

接続が完了すると、以下のようにkintone のデータ構造などを確認できるExplorer 画面が表示されます。ここで簡易的にどんなデータを表示できるのかテストすることが可能です。

最後にMCP のエンドポイントと認証に必要なユーザー名とPAT を発行します。
LangGraph の画面の設定情報が参考になるでしょう。

エージェントの開発
それではエージェントの開発を進めていきます。
今回は汎用的にCData Connect AI のMCP を通じてデータ活用ができるエージェントとしています。instruction などは適宜ユースケースに応じて調整してみてください。
フォルダ構成は以下のとおりです。
agents
└── connect_ai_basic
├── init.py
├── .env
└── agent.py
agent.py
import os
import base64
from google.adk.agents import Agent
from google.adk.tools.mcp_tool.mcp_toolset import MCPToolset
from google.adk.tools.mcp_tool.mcp_session_manager import StreamableHTTPConnectionParams
from dotenv import load_dotenv
# 環境変数を読み込む
load_dotenv()
# 環境から設定を取得
MCP_SERVER_URL = os.getenv('MCP_SERVER_URL', 'https://mcp.cloud.cdata.com/mcp')
MCP_USERNAME = os.getenv('MCP_USERNAME', '')
MCP_PASSWORD = os.getenv('MCP_PASSWORD', '')
# MCP サーバー用の認証ヘッダーを作成
auth_header = {}
if MCP_USERNAME and MCP_PASSWORD:
credentials = f"{MCP_USERNAME}:{MCP_PASSWORD}"
auth_header = {"Authorization": f"Basic {base64.b64encode(credentials.encode()).decode()}"}
root_agent = Agent(
name="connect_ai_basic",
model="gemini-2.5-flash",
description=(
"CData Connect AI のRemote MCP を使ってデータ活用できるエージェントです。"
),
instruction=(
"CData Connect AI のRemote MCP を使ってデータ活用できるエージェントです。"
),
tools=[
MCPToolset(
connection_params=StreamableHTTPConnectionParams(
url=MCP_SERVER_URL,
headers=auth_header
)
)
]
)
.env
MCP_SERVER_URL=https://mcp.cloud.cdata.com/mcp
[email protected]
MCP_PASSWORD=XXXXXXXX
init.py
from . import agent
開発ポイント
CData Connect AI にはStreamableHTTP プロトコルでアクセスします。
そのため、Agent クラスのTools パラメータにMCPToolset のStreamableHTTPConnectionParams でCData Connect AI のURL と認証方法であるBasic 認証のパラメータをユーザーのメールアドレスおよび予め生成したPAT で渡すことで接続できるようにしています。
認証情報は.env ファイルで管理しています。
ADK を使ってデプロイ
作成したらADK のコマンドでデプロイを行います。以下のようなコマンドになります。ちなみに時間は5分ほど掛かる感じですので気長に待ちましょう。
adk deploy agent_engine \
--project=PROJECT_ID \
--region=us-central1 \
--staging_bucket=STAGING_BUCKET \
connect_ai_basic
完了すると以下のようにVertex AI Agent Engine のリソース名が表示されます。これを後ほどGemini Enterprise に登録する時に利用します。
Created agent engine: projects//locations/us-central1/reasoningEngines/12345678912345
Gemini Enterprise にエージェントを追加する
開発したエージェントはVertex AI Agent Engine にホスティングされただけなので、これをGemini Enterprise で利用できるように設定していきます。
Gemini Enterprise を開いて、エージェントの画面から「+エージェントを追加」をクリックします。

エージェント タイプの選択から「Agent Engine によるカスタムエージェント」の「追加」をクリックします。

エージェントはカスタムOAuth の処理を追加できますが、今回はBasic認証を利用しているため、承認機能は追加せず「次へ」をクリックします。

ここではGemini Enterprise に公開するための任意のエージェント名・エージェントの説明を付与します。そして、Agent Engine 推論エンジンのところに先程作成したVertex AI Agent Engine のリソース名を指定します。

リソース名はVertex AI エージェントエンジンからも確認できます。以下の内容ですね。

これで公開完了です!
エージェントを使ってみる
それでは実際にエージェントを使ってみましょう。うまく公開が完了しているとGemini Enterprise のWebアプリ画面からエージェントが選択できます。

CData Connect AI を使うようにプロンプトを打ち込むと、しっかりとMCP を利用した返答が返ってきました。

おわりに
このようにVertex AI Agent Engine を組み合わせることで、MCP と連携した柔軟なエージェントの開発が可能です。
ぜひCData Connect AI のトライアルと合わせて試してみてください。
ご不明な点があれば、以下の問い合わせ窓口からお気軽にご相談ください。
お問い合わせ | CData Software Japan