
前回の記事「生成AI活用の次の一手|現場の試行錯誤から見えた3つの条件」では、AIを活かすための条件の一つとして「データ構造を整える —— Fit to Standard」を挙げました。
Fit to Standardとは、「業界標準として設計された業務フロー、機能、データの意味・形式・ルールに合わせる」という考え方です。全業務を標準に押し込めるのは現実的ではありませんが、競争優位に関わらない部分は標準に寄せることで、データ構造が整い、AI活用の土台ができます。
ただ、Fit to Standardを進めると、新たな課題やニーズが生まれます。
標準に合わない業務(Gap)は、周辺システムで補完することになります。すると、基幹システムと周辺システムを連携させる必要が出てくる。基幹システムがオンプレであれば、モダンなAPIの口が欲しくなるかもしれません。さらに、基幹と周辺のデータを横串で分析したい、というニーズも出てくるでしょう。
この記事では、こうした「Fit to Standardを進める中で生まれる課題・ニーズ」に対して、CData製品がどうお役に立てるかをご紹介します。
課題1:基幹システムと周辺システムの連携 → CData Arc
Fit to Standardで基幹システムを標準に寄せると、Gapの部分は周辺システムで補完することになります。
たとえば、基幹システム(ERPなど)では標準の販売管理機能を使い、自社独自の見積もりロジックは専用のSaaSで処理する。あるいは、標準の顧客マスタを基幹に持ちつつ、マーケティング施策はMAツールで回す。こうした構成はよくあるパターンです。
ただ、ここで課題になるのが「連携」です。基幹で確定した受注データを周辺システムに渡したい、周辺システムで収集したデータを基幹に戻したい——こうしたデータの流れを、手作業やCSVのやり取りで回していませんか?
CData Arcは、こうした基幹×周辺システム間の連携をノーコード・ローコードで実現するデータ連携ツールです。ファイル、EDI、データベース、SaaSなど、さまざまなデータソースに対応しており、「標準に寄せた基幹システム」と「Gapを埋める周辺システム」をスムーズに繋ぎます。
Fit to Standardを進めると、基幹システムだけではかゆいところに手が届かないことが多いです。周辺システム、そしてそれらとの連携基盤があってこそ、現実的に進められるのではないでしょうか。
Fit to Standardを進め、基幹と周辺システムの役割分担が明確になると、次に出てくるのが「横串でデータを見たい」というニーズです。
基幹システムには受注・売上データ、周辺のMAツールにはキャンペーン実績、SFAには商談履歴——それぞれのシステムにデータが分散していると、「この施策が売上にどう貢献したか」といった分析が難しくなります。
CData Syncは、こうした複数のデータソースからデータを収集し、データウェアハウス(DWH)に集約・一元化するデータパイプラインツールです。
最近のアップデートで、さらに強力になりました。
パイプラインベースのワークフローオーケストレーション
新たに搭載されたパイプライン機能により、Sync内で直接、多段階のワークフローを構築できるようになりました。レプリケーション、変換、イベントを順序立てて実行でき、外部のオーケストレーションツールなしで依存関係を管理できます。前回の記事で触れたAIにとって活用しやすいデータ——意味が一意、形式が統一、バリデーションが守られている——を実現するためのクレンジングや形式統一を、パイプラインの中でより効率的に自動化できるようになりました。
AI・分析向けオープンテーブル形式のネイティブサポート
Delta Lake(Microsoft FabricのOpen Mirroring経由を含む)やApache Icebergへのネイティブ書き込みにも対応しました。オープンでACID準拠のテーブル形式を使うことで、ベンダーロックインを避けつつ、あらゆる分析エンジンやAIプラットフォームからデータにアクセスできます。
データを集めるだけでなく、集めながら整え、オープンな形式で蓄積する。Fit to Standardで整えた基幹データと、周辺システムのデータを横串・横断で活用する土台として、CData Syncが役立つ場面は多いのではないでしょうか。
Fit to Standardを進める中で、意外とボトルネックになりがちなのが「基幹システムがオンプレミス」というケースです。
基幹システムを標準に寄せ、周辺システムでGapを埋める——この構成を実現しようとすると、周辺のSaaSやクラウドサービスから基幹システムのデータを参照・更新したい場面が出てきます。しかし、オンプレのデータベースに直接アクセスさせるのはセキュリティ的にも運用的にも難しい。かといって、API開発に時間とコストをかける余裕もない。
CData API Serverは、オンプレミスのデータベースからREST APIをノーコードで生成できるツールです。
SQL Server、Oracle、MySQLなどの主要なデータベースに対応しており、テーブルやビューを選択するだけでAPIエンドポイントが立ち上がります。認証やアクセス制御の仕組みも備えているので、「必要なデータを、必要な相手にだけ、安全に公開する」という設計が可能です。
周辺システムから見れば、オンプレの基幹システムもモダンなAPIとして扱える。レガシーだから繋げない、という壁を取り払い、Fit to Standardを現実的に進めるための選択肢になるのではないでしょうか。
Fit to Standardを進め、基幹と周辺システムの連携基盤が整ってくると、次に気になるのが「分析や可視化をどうするか」です。
多くの企業では、すでにBIツールやノーコードツール、Excelなどを使ってデータを扱っています。新しいツールを導入するよりも、今使い慣れたツールでそのまま作業したい——そう考えるのは自然なことです。
ところが、ツールによっては「このデータソースには対応していない」という壁にぶつかることがあります。基幹システムのデータベースには繋がるけど、周辺のSaaSには繋がらない。クラウドDWHには対応しているけど、オンプレのレガシーDBは対象外。
CData Driversは、こうした「繋げない」を解消するコネクタ群です。
ODBC、JDBC、ADO.NETなど、標準的なインターフェースを通じて、SaaS、データベース、クラウドサービスなど幅広いデータソースに接続できます。CData製品だけでなく、お使いのBIツールやノーコードツール、Excelなどと組み合わせて使えるのが特徴です。
「使っているツールを変えずに、繋がる先を広げる」——Fit to Standardで整えたデータを、現場のツールから活用するための補助輪として、CData Driversが役立つ場面は多いのではないでしょうか。
ここまで、Fit to Standardを進める中で生まれる課題・ニーズに対して、CData製品がどうお役に立てるかをご紹介してきました。
最後に、CData Connect AIをご紹介します。AIと自社データを接続し、自社データに詳しいAIアシスタントを数分で立ち上げられるツールです。
前回の記事で、「AIに振り回される乗客ではなく、操縦するパイロットの側に回ろう」と書きました。パイロット側に回ろうとするとき、CData Connect AIは強力な武器になります。なぜなら、データソースとAIをただ繋ぐだけのツールではないからです。
なぜConnect AIなのか——他のMCPツールとの違い
最近、AIとデータを繋ぐMCPツールが増えてきました。しかし、「繋がる」ことと「正しく使える」ことは違います。
CDataが378件のエンタープライズクエリで検証したところ、Connect AIの精度は98.5%。他のMCPツールと比べて25%の差がつきました。他のMCPツールは特にこんな場面で苦戦しました。
なぜ差がつくのか。多くのMCPツールは、自然言語をそのままAPIコールに変換しようとします。しかしConnect AIは、その手前に「データの意味を理解する層」を持っています。
たとえば、SalesforceとHubSpotでは「商談」の持ち方が違います。プロジェクト管理ツールごとに「優先度」の表現も違う。こうしたシステムごとの「方言」を、Connect AIが吸収してくれます。
だから、あなたは「何が知りたいか」だけを伝えればいい。「今四半期中にクローズ予定で、金額が500万円以上の商談を、担当者別に一覧にして」——こんな問いかけにも、システムごとの違いを意識することなく、正しい答えが返ってきます。
前回の記事で「流暢に間違える」リスクについて書きました。25%の精度差——これは決して小さな数字ではありません。エンタープライズのワークフローでは、わずかな誤差でも工程を経るごとに膨らんでいく。その差が最終的に、自動化の成功とオペレーショナルリスクの分かれ目になります。
このように、CData Connect AIは、AI活用における強力な武器になります。ぜひ、パイロットへの第一歩として試してみてください。
まとめ
Fit to Standardは、一朝一夕に実現できるものではありません。しかし、一歩ずつ進めることはできます。
この記事では、Fit to Standardを進める中で生まれる課題・ニーズに対して、CData製品がどうお役に立てるかをご紹介しました。
詳しく知りたい方、自社の状況に合わせた相談をしたい方は、ぜひお問い合わせください。情報収集段階のご相談も大歓迎です。
CData Arc、CData Sync、CData API Server、CData Connect AI、この4つについてはハンズオンセミナー・ウェビナーも定期的に開催しています。