
こんにちは。CData Software Japan リードエンジニアの杉本です。
この度、CData Connect AI に Toolkits(ツールキット) 機能がリリースされ、皆様の環境で利用できるようになりました!

MCP(Model Context Protocol)を使ったAIエージェントの活用が広がるなかで、「AIに何をやらせるか」を組織として標準化・管理したいというニーズが増えています。Toolkits は、その課題に正面から応えるための機能です。
これまでの課題
CData Connect AI では、350種類以上のデータソースに対してリモート MCP 経由でアクセスできます。
https://jp.cdata.com/ai/

しかし、接続先が多くなると AIエージェントに公開されるツール数も増え、AIが「何をどう使えばいいか」を判断しにくくなるケースがありました。
また、「毎週月曜日に Jira の未割り当て高優先チケットを担当者に振り分ける」のような、組織内で繰り返し発生する操作については、毎回プロンプトで同じ指示を書くのは非効率です。チームメンバーが変わると動作がばらつくという問題もありました。
Toolkits 機能はこれらの課題を解決するために設計されています。
Toolkits でできるようになったこと
Toolkits では、特定の操作だけを束ねたカスタム MCP ツール群を1つのエンドポイントとして提供できます。AI エージェントにはそのエンドポイントを渡すだけで、定義した通りに動作する再現性の高いツールセットが使えるようになります。

Toolkit の中に追加できるツールは大きく2種類です。
ツール種別 | 概要 |
|---|
コネクションツール | 1つ以上のデータ接続に紐づくツール。Universal Tools・Source Tools・Custom SQL Tools を設定できる。 |
ワークスペースツール | ワークスペース内のアセットに対して操作を行うツール。あらかじめ利用するアセットとして、テーブルやビュー、Derived Views を登録しておき、Universal Tools・Custom SQL Tools を設定できる。 |
それぞれのツール内でさらに以下の3タイプを有効化・定義できます。
Universal Tools:getSchemas・getTables・executeProcedure などデータ探索・操作の基本ツール群。接続またはワークスペース内の全アセットが対象になります。
Source Tools(コネクションツールのみ):Jira の issue 検索・作成・更新など、接続先データソース固有のアクションを有効化できます。各ツールに AI Instructions を設定して動作の境界を定義できます。(現在対応しているデータソースは一部になり、順次対応データソースを拡充予定)
Custom SQL Tools:繰り返し使う SQL クエリをツールとして定義します。必須・任意のパラメータも設定できます。
シナリオ別ツール構成のイメージ
Toolkits の設定では、目的に応じてどのツールタイプを有効化するかがポイントです。以下に代表的な4つのシナリオを紹介します。

シナリオ A:Jira チケット自動振り分けエージェント
毎週月曜日に未割り当て・高優先度チケットを担当者に振り分けるエージェントには、コネクションツール + Source Tools の組み合わせが最適です。
構成要素 | 内容 |
|---|
接続先 | Jira(コネクション) |
ツール種別 | Source Tools のみ |
有効化するアクション | チケット検索・チケット更新 |
AI Instructions 例 | 「Priority = High かつ Assignee が空のチケットのみ対象。他のフィールドは変更しないこと」 |

シナリオ B:Salesforce 商談パイプライン定期レポート
毎朝「今月クローズ予定の商談」を担当者別に集計して報告するエージェントには、コネクションツール + Custom SQL Tools が適しています。
構成要素 | 内容 |
|---|
接続先 | Salesforce(コネクション) |
ツール種別 | Custom SQL Tools のみ |
定義クエリ | SELECT Owner, SUM(Amount) FROM {{catalog_name}}.Salesforce.Opportunity WHERE CloseDate = THIS_MONTH
|
パラメータ | @owner(任意:担当者でフィルタ可)
|

毎回同じ集計ロジックを使う場合はクエリを固定化するのが効果的です。Universal Tools を渡さないことで、AI が勝手に別テーブルを参照するリスクをゼロにできます。
シナリオ C:新しいデータソースのスキーマ調査
新しいデータソースに接続して「どんなテーブル・カラムがあるか」を AI に調べさせる場合は、コネクションツール + Universal Tools が適しています。
構成要素 | 内容 |
|---|
接続先 | 任意(コネクション) |
ツール種別 | Universal Tools のみ |
有効化するツール | getSchemas / getTables / getColumns / queryData など |

何を問い合わせるか決まっていない探索フェーズでは Universal Tools が最適です。スキーマ確認が終わったら、その結果をもとに Custom SQL Tools に落とし込んでいく流れが一般的です。
シナリオ D:Jira × Salesforce 横断分析エージェント
「停滞している商談に紐づく Jira チケット」を特定するような複数データソースをまたぐ分析には、ワークスペースツール + Derived Views + Custom SQL Tools の組み合わせが最適です。
構成要素 | 内容 |
|---|
接続先 | ワークスペース(Jira + Salesforce を結合済み) |
ツール種別 | Derived Views + Custom SQL Tools |
定義クエリ | SELECT ... FROM Salesforce1.Salesforce.Oppotunitiy JOIN Jira.Issues ON ...
|

複数データソースをまたぐ分析は、Workspace で Derived Views としてまとめてから Custom SQL Tools を定義するのが最適なアプローチです。コネクションツールは単一データソースに紐づくため、クロスソース分析にはワークスペースツールを使います。
Toolkits の設定手順
Toolkit の作成
Connect AI のナビゲーションメニューから AI > Toolkits を開き、Add をクリックします。

ツールキット名を入力して Confirm をクリックすると、一覧に新しい Toolkit が表示されます。

Toolkit を選択すると編集画面が開き、MCP Remote Server URL が自動生成されます。このURLをAIエージェントのMCPクライアント設定に貼り付けることで、エージェントからツールが使えるようになります。

Server Instructions には、ツールキット全体に適用するAIへの指示を記入できます。例えば「顧客データのみを対象にしてください。外部データは使用しないでください。」のように設定することで、エージェントの動作範囲を制御できます。なお、Server Instructions をサポートしていない MCP クライアントもありますのでご注意ください。
ツールの追加(コネクションツールを例に)
Toolkit の編集画面で、コネクションツール または ワークスペースツール を選択してウィザードに従い接続先を指定します。

今回はJiraのコネクションを追加します。

ツールが追加されると、Universal Tools・Source Tools・Custom Tools の3つのタブが表示されます。

Source Tools タブでは、Jira であれば「チケットの検索」「チケットの作成」「チケットの更新」といったアクションを個別に有効化できます。各ツールの AI Instructions(MCP Context) に以下のような記述を加えると、より精度の高い動作が期待できます。
ツールの用途と受け付ける入力を明確に記述する
やるべきこと・やってはいけないことを明示する
多様な入力パターンを想定して記述する

Custom SQL Tool の作成
Custom Tools タブで Add をクリックすると、カスタム SQL ツールのエディタが開きます。

ツール名と AI Instructions を設定し、SQL 文を記述します。パラメータを使う場合は、SQL 内に @パラメータ名 を記述し、Parameters セクションで必須・任意の別を定義します。
任意パラメータを使いたい場合は、標準 SQL ではなく SQL カスタムテンプレート を利用します。以下は Jira を例にした任意パラメータありのテンプレート例です。
SELECT * FROM [{{catalog_name}}].Jira.Issues
WHERE 1=1
{% if assignee %} AND Assignee = @assignee {% endif %}
{% if priority %} AND Priority = @priority {% endif %}
{% if status %} AND Status = @status {% endif %}
WHERE 1=1 を使うことで、任意条件の有無に関わらず AND 句を安全に追加できます。SQL を記述したら Validate SQL で構文確認し、Save Changes で保存します。

最後に忘れないように作成したツールを「Enabled」にして、有効化しておきましょう。

AI エージェントへの接続
設定が完了したら、Toolkits ホーム画面の Copy URL ボタンをクリックして MCP Remote Server URL を取得します。この URL を Claude や Dify、n8n などの MCP 対応クライアントに貼り付けることで、定義したカスタムツールをエージェントから利用できます。
例えば、Claude の場合は以下のように「カスタムコネクタを追加」から設定できます。

接続が完了すると、以下のようにToolkits で登録したツールのみがリストアップされていることがわかりますね。

おわりに
このように CData Connect AI の Toolkits 機能を使うことで、AIエージェントに渡すカスタム MCP ツールを組織として標準化・再利用できるようになります。Jira のチケット自動振り分けのような繰り返し業務はもちろん、Custom SQL Tool を活用した精度の高いデータ取得ロジックもツールとして定義できますので、ぜひいろいろと試してみてください。
なにかわからないことがあれば、お気軽にサポートやお問い合わせからどうぞ。
https://jp.cdata.com/contact/