
こんにちは。CData Software Japan リードエンジニアの杉本です。
先月公開された2026年第1四半期のリリースにて、CData Connect AI に「カスタム MCP ツール」機能が追加されました!
https://jp.cdata.com/blog/build-custom-mcp-tools-in-cdata-connect-ai

これはAI エージェントに対して、あらかじめ定義された最適化済みのツールセットを持たせることができるユニークな機能です。
これまで、CData Connect AI では、AI エージェントが社内システムのデータを操作するためには、汎用的なクエリインターフェースを通じてスキーマを都度探索する必要がありました。これはこれで、アドホックな分析やまだニーズが固まっていないデータ活用では便利でしたが、探索のコンテキスト負担もありました。
それが今回の機能追加により、特定の処理に特化した「専用ツール」を Connect AI 上で一度定義するだけで、組織全体のあらゆる AI エージェントから再利用できるようになりました!
というわけで、この記事では、カスタム MCP ツールの概要と、ServiceNow のインシデント検索・起票を例にした具体的な設定手順を紹介していきたいと思います。

カスタム MCP ツールとは
これまでの課題
Connect AI にはもともと、350 種類以上のエンタープライズシステムに対してスキーマ検出・データ取得・書き込みを行うユニバーサルなMCP ツールセット(9 種類のツール)が標準搭載されています。

このユニバーサルツールは、AI エージェントが接続されたどのデータソースでも探索・読み取り・操作できる柔軟性を持つ一方で、特定業務の繰り返しアクションには必ずしも最適ではありませんでした。

たとえばインシデント対応のように「決まった操作を確実に実行したい」というケースでは、エージェントがそのたびにスキーマを読み解く手間が発生し、トークンの消費や処理の非効率につながることがあります。(※もちろん、再現性を得やすくするためにシステムプロンプトやスキル、プロジェクトなどにあらかじめクエリ内容を記載しておくことは有効です)
カスタム MCP ツールでできるようになったこと
今回追加されたカスタム MCP ツールを使うと、特定のワークフローに合わせた専用ツールを Connect AI 上で定義できるようになりました。
https://docs.cloud.cdata.com/en/Custom-Tools

主なメリットは以下のとおりです。
事前最適化されたクエリにより、エージェントがスキーマを探索する必要がなくなる
トークン使用量を削減し、処理パフォーマンスが向上する
明確なデータアクセス制限により、意図しないデータの参照・露出を防止できる
Connect AI の Workspace 単位でアクセス権限を管理できるため、部門ごとの適切なガバナンスが実現する
全呼び出しがログとして記録され、監査証跡を確保できる
ツールの種類
カスタム MCP ツールには、以下の3種類があります。
種類 | 概要 |
|---|
MCP System Tools | ワークスペース全体に適用されるプラットフォーム標準ツール。getCatalogs や executeProcedure など。有効 / 無効の切り替えのみ可能。 |
Workspace Asset | ワークスペース内の特定テーブルやオブジェクトに対して、get / search / create などのアクションを設定できるツール。 |
Custom SQL | 繰り返し実行するクエリを SQL で定義するツール。任意のパラメータを設定可能。 |

必要なもの
今回の手順で使用する環境は以下のとおりです。デモシナリオのデータソースとしてServiceNow 環境を用いていますが、これはどんなデータソースで実施いただいても構いません。
それぞれトライアル環境を取得して構築しました。
CData Connect AI の設定
ワークスペースの準備
まず、カスタム MCP ツールを追加するワークスペースを用意します。Connect AI にログインし、メインナビゲーションから「Workspaces」をクリックします。

「+Add」をクリックし、新しいワークスペースを追加します。

ワークスペースを作成したら、ここで利用するアセットを追加していきます。
アセットは3種類、Folder、Connection Object(テーブル・ビュー)・Derived Views があります。
今回はServiceNow のIncident テーブルが対象になるので、「Connection Object」を選択します。
Folder はアセットをまとめるものなので、作成は任意です。もし事前にDerived Views を作っていたら、それを追加するのも良いでしょう。

「Connection Object」を選択すると作成しているコネクションの一覧が表示されるので、対象のコネクションをクリック

今回対象とするIncident テーブルを選択して、「Confirm」をクリックします。

これでカスタムツールを作成するための下地が整いました。
Workspace Asset ツールの作成(インシデント検索)
それでは「Custom Tools」タブへ移動して、個別ユースケースに合わせたツールを作成していきましょう。

まずはインシデントを検索するツールを作成してみます。「Add」ボタンをクリックすると「Add Tool」ダイアログが表示されます。
カスタムツールはノーコードで作成(裏側でSQLを自動生成してくれる)パターンとCustom SQL で作成するパターンの2種類があります。今回はノーコードで進めるので「Workspace Asset」を選択します。

「Workspace Asset」を選択すると「Add Asset」ダイアログが開きます。ステップ 1 でカスタムツールとして設定するアセットを選択します。今回は ServiceNow の「Incident」テーブルを選択します。

「Next」をクリックしてステップ 2 に進むと、アクションの設定画面が表示されます。インシデント検索に必要なアクションを選択します。今回はデータを複数件取得して表示したいので「Search」を選択しました。
※ちなみにGetもデータを取得するもので、Search と機能的にはほぼ同じものですが、AI の判断としてはIdなどを指定して単体、少数のレコード取得をGet するというイメージで利用する想定です。

「Confirm」をクリックすると、ツールが無効状態でワークスペースに追加されます。編集アイコン(🖉)をクリックしてツールの詳細を設定していきましょう。
編集画面では、ツール名と AI Instructions、パラメータを設定できます。AI Instructions には、ツールの用途・受け付けるデータ・やってはいけないことを明確に記述することが推奨されています。以下のように設定しました。
項目 | 設定値 | 備考 |
|---|
ツール名 | search_servicenow_incident | AI から呼び出される際の識別子 |
AI Instructions | このツールは ServiceNow のインシデントを検索するためのツールです。インシデント番号・カテゴリ・優先度・担当者などの条件を指定して検索できます。他のテーブルへのアクセスには使用しないでください。 | ツールの目的と制限を明示する |
パラメータは以下のとおりです。これは最終的にSQL文でWHERE句の完全一致として利用されます。
Name | Type | Description | Required |
|---|
number | String | インシデント番号を検索条件として指定します。 | None |
category | String | カテゴリを検索条件として指定します。 | None |
priority | Number | 優先度を検索条件として指定します。 | None |

設定が完了したら、保存してトグルスイッチでツールを有効化します。これだけで、インシデント検索ツールの設定は完了です。

Custom SQL ツールの作成(インシデント起票)
次に、インシデントを新規起票するカスタム SQL ツールで作成してみましょう。「Add」ボタンから「Custom SQL」を選択します。

カスタム SQL エディタが表示されます。ツール名と AI Instructions を設定した上で、SQL 文を記述します。今回は以下のような INSERT 文を定義しました。
INSERT INTO [ServiceNowCustomMCPTool].[Root].[Incident]
(short_description, category, priority)
VALUES
(@short_description, @category, @priority)

ちなみにSQL で指定するカタログ名とスキーマ名はワークスペース専用のものになるので注意しましょう。あらかじめデータエクスプローラーで確認しておくと良いです。

パラメータ(@short_description、@category など)を SQL 文に含めた場合は、画面の「Parameters」セクションにも同じパラメータ名を追加する必要があります。必須 / 任意の設定もここで行います。
Name | Type | Required | Description |
|---|
short_description | String | Required | インシデントの概要・タイトル |
category | String | Required | インシデントのカテゴリ(例: network, hardware) |
priority | Number | Required | 優先度(1: Critical、2: High、3: Moderate、4: Low) |

「Validate SQL」をクリックして SQL 構文を検証します。問題がなければ「Save Changes」をクリックして保存します。

保存後、ツール一覧に表示されたらトグルスイッチで有効化します。これで、インシデント起票ツールの設定も完了です。
ちなみにデータの作成や更新はあらかじめ権限も調整しておく必要があります。Permissinsタブからツールを使うために必要な権限を対象ユーザーに割り振っておきましょう。

エンドポイントの確認と AI エージェントへの接続
カスタム MCP ツールを AI エージェントから利用するには、ワークスペースのエンドポイント URL を取得する必要があります。「View Endpoints」ボタンをクリックします。

「AI(MCP)」タブに表示される「Remote MCP Server URL」をコピーします。このURLを AI エージェントのカスタムコネクタとして設定します。
Claude の場合は、設定画面の「コネクター」からカスタムコネクタを追加し、取得した URL を貼り付けるだけで接続できます。

接続が完了してツールを確認してみると、以下のように2種類の専用ツールだけが定義されていることがわかりますね。

動作確認
それでは実際に動かしてみましょう。Claude に接続した状態で、インシデントの検索を試してみます。
「ServiceNowCustomMCPToolを使って優先度が 5 のインシデントを教えて」と入力すると、エージェントが search_servicenow_incident ツールを呼び出し、対象のインシデント一覧を返してくれます。

続いて、インシデントの起票も試してみます。「ネットワーク障害が発生しています。優先度 High で新しいインシデントを起票してください」と入力すると、エージェントが create_servicenow_incident ツールを使ってインシデントを自動起票します。

ServiceNow 側でも新しいインシデントが作成されていることが確認できました。手動でログインしてフォームを入力する手間なく、会話の流れの中でそのまま起票できています。
おわりに
このように Connect AI のカスタム MCP ツールを使うことで、AI エージェントに対して「何度でも同じ動作をする、業務に特化したツール」を持たせることができるようになります。
ServiceNow に限らず、Connect AI がサポートする 350 種類以上のデータソースに対して同様の仕組みを適用できますので、ぜひさまざまなユースケースで試してみてください。
なにかわからないことがあれば、お気軽にサポートやお問い合わせからどうぞ!
https://jp.cdata.com/contact/