CData JDBC Driver for Dynamics 365 で Ignition SCADA と連携

Somya Sharma
Somya Sharma
Technical Marketing Engineer
CData JDBC Driver を使って、Ignition SCADA からリアルタイムの Dynamics 365 データに接続。ETL やレプリケーションは不要です。

Ignition は、Inductive Automation 社が提供する産業用の SCADA(監視制御およびデータ収集)および IIoT(産業用モノのインターネット)プラットフォームです。中核となる Gateway サービスが、デバイス接続やタグ、データベース接続を一元的に管理します。ただし、Ignition には Dynamics 365 用のコネクタが標準で用意されていません。そのため、Dynamics 365 のデータを扱うには、独自のミドルウェアを用意するか、手作業でデータをエクスポートするのが一般的です。

CData JDBC Driver for Dynamics 365 を使えば、この課題を解消できます。このドライバーは、Dynamics 365 を標準的な JDBC(Java Database Connectivity)データソースとして利用できるようにするものです。Ignition はどの JDBC ドライバーも標準のデータベース接続として扱えるため、Gateway にドライバーを登録するだけで、Script Console や SQL Bridge、タグ、Perspective / Vision の画面からリアルタイムの Dynamics 365 データをクエリできます。レプリケーションや独自コネクタ、ETL(抽出・変換・ロード)パイプラインは必要ありません。

この記事では、Ignition のインストールとコミッショニングから、CData JDBC Driver for Dynamics 365 の登録、接続の作成、リアルタイムクエリによる動作確認までの流れを順を追って紹介します。

前提条件

  • Windows 版 Ignition(Windows 10/11 または Windows Server)と、Windows サービスをインストールするための管理者権限
  • CData JDBC Driver for Dynamics 365
  • 有効な認証情報を持ち、API アクセスが有効化された Dynamics 365 アカウント
  • Gateway の Web インターフェースを開くための対応デスクトップブラウザ(Google Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edge、Safari のいずれか)

Dynamics 365 とのデータ連携について

CData を使えば、Microsoft Dynamics 365 のリアルタイムデータへのアクセスと統合を簡単に実現できます。CData の接続機能は、主に次のような用途で活用されています。

  • Sales、Customer Service、Finance & Operations、Marketing など、Dynamics 365 エコシステム全体のデータの読み取りと書き込み
  • カスタマイズ可能なキャッシュと、インテリジェントなクエリ集約・分離による、Dynamics CRM のネイティブ機能の拡張
  • Microsoft Entra ID、Azure マネージド サービス ID 認証情報 (クレデンシャル)、クライアントシークレットまたは証明書を使用した Azure サービスプリンシパルなど、さまざまな方法による Dynamics 365 への安全な認証
  • SQL ストアドプロシージャによる Dynamics 365 エンティティの管理(エンティティ間の関連付けの一覧表示・作成・削除など)

CData のお客様は、データをデータウェアハウスにレプリケートしたい場合(他のデータソースと併せて)や、Microsoft エコシステム内のお気に入りのデータツール(Power BI、Excel など)または外部ツール(Tableau、Looker など)からリアルタイム Dynamics 365 データを分析したい場合など、さまざまな理由で当社の Dynamics 365 接続ソリューションを使用しています。

関連リンク


ステップ 1:Ignition のインストールとセットアップ

Ignition をすでにインストールして稼働させている場合は、ステップ 2 に進んでください。

Ignition のダウンロード

  1. Inductive Automation のダウンロードページにアクセスし、Windows 版の Ignition をダウンロードします。 Ignition のダウンロード
  2. このファイルひとつで Ignition Gateway のフルインストーラーになっています。Gateway サービスと Designer Launcher の両方が含まれているので、Designer を別途ダウンロードする必要はありません。

Ignition のインストール

  1. インストーラーを実行し、ライセンス契約に同意してインストール先を選択します。
  2. Windows の起動時に Gateway も自動で起動するよう、Install as a Windows Service にはチェックを入れたままにしておきます。
  3. インストールを完了すると Gateway サービスが起動し、ブラウザで http://localhost:8088 が開いてコミッショニングウィザードが表示されます。Browser Not Supported と表示された場合は、Chrome、Firefox、Edge、Safari のいずれかで同じアドレスを開いてください。

Gateway のコミッショニング

  1. Commission Ignition Gateway ウィザードで Gateway Name を設定し、管理者のユーザー名とパスワードを作成します。
  2. エンドユーザー使用許諾契約に同意し、トライアルを開始するか、購入済みの Ignition ライセンスをアクティベートします。
  3. コミッショニングが完了したら、管理者アカウントでログインします。Gateway の Home ページが表示されます。 ログイン後の Gateway Home ページ

注意: トライアル版では Gateway の各ページにカウントダウンタイマーが表示され、Gateway サービスを再起動するとタイマーがリセットされます。テスト用途であれば問題ありませんが、本番環境で利用する場合はライセンスが必要です。

ステップ 2:Ignition への CData JDBC Driver の登録

Ignition では、サードパーティ製の JDBC ドライバーを Gateway の Web インターフェースからアップロードできます。ファイルシステムを直接操作する必要はありません。

  1. 管理者として Gateway にログインします。
  2. Connections > Databases > Settings に移動して Drivers タブを開き、Create JDBC Driver をクリックします。
  3. ダイアログで次の内容を入力します。
    • Name: Dynamics 365
    • Classname: cdata.jdbc.dynamics365.Dynamics365Driver
    • Driver Type: Generic
    • Default Validation Query: SELECT GoalHeadingId FROM GoalHeadings LIMIT 1
    JDBC ドライバーの作成(画面は Salesforce の例)
  4. Create JDBC Driver をクリックします。現行の Ignition 8.3 では作成ダイアログに JAR(Java アーカイブ)ファイルのアップロード欄がないため、JAR ファイルは次の手順で追加します。
  5. 作成したドライバーの行の右端にあるメニューを開いて Manage JAR files を選択し、ドライバーのインストールディレクトリ内の lib フォルダにある cdata.jdbc.dynamics365.jar をアップロードして保存します。
  6. ドライバー一覧で、ドライバーのステータスが INSTALLED になっていることを確認します。 ステータスが INSTALLED のドライバー(画面は Salesforce の例)

ステップ 3:Dynamics 365 への接続の作成

  1. Connections > Databases > Connections に移動し、Create Database Connection をクリックします。
  2. Driver Selection ステップで Dynamics 365 を選択し、Next をクリックします。 ドライバーの選択(画面は Salesforce の例)
  3. Database Setup ステップで、Name に Dynamics 365 を設定します。認証情報は接続 URL に含めるため、Username は空欄のままにし、Password は None を選択します。
  4. Connect URL に接続文字列を入力します。
    jdbc:dynamics365:OrganizationUrl=https://myaccount.operations.dynamics.com/;Edition=Sales;
    接続情報の入力(画面は Salesforce の例)
  5. Create Database Connection をクリックし、Database Connections ページで接続のステータスが VALID になっていることを確認します。 ステータスが VALID の接続(画面は Salesforce の例)

Dynamics 365 の接続プロパティ

Dynamics 365 接続プロパティの取得・設定方法

Microsoft Dynamics 365 への接続

Microsoft Dynamics 365 ドライバーは、以下のMicrosoft Dynamics 365 エディションへの接続をサポートしています。

  • CustomerService
  • FieldService
  • FinOpsOnline (デフォルト)
  • FinOpsOnPremise
  • HumanResources
  • Marketing
  • ProjectOperations
  • Sales

Notes:

  • Supply Chain Management はFinance and Operations と同一です。これらのいずれかに接続するには、Edition をFinOpsOnline またはFinOpsOnPremise のいずれかに設定します。
  • Microsoft Dynamics 365 Business Central については、個別のMicrosoft Dynamics 365 Business Central ドライバーを使用してください。
サポートされているMicrosoft Dynamics 365 エディションのいずれか接続するには、次のパラメータを設定します。
  • OrganizationURL:お使いのMicrosoft Dynamics 365 組織のURL。例えば、https://orgcb42e1d0.crm.dynamics.com。
  • Edition:上記のエディション一覧に示すとおり。

Microsoft Dynamics 365 への認証

Microsoft Dynamics 365 は、Microsoft Entra ID(Azure AD)、Azure サービスプリンシパル、Azure マネージドID(MSI)を経由する認証をサポートします。これらはすべてOAuth 規格に基づきます。 認証方法の詳細は、ヘルプドキュメントを参照してください。

注意: パスワードやトークンにセミコロンが含まれていると接続 URL が正しく解釈されません。その場合は、セミコロンを含まない値に再設定してください。

ステップ 4:Ignition からリアルタイムの Dynamics 365 データをクエリ

接続が有効になったら、Designer からリアルタイムの Dynamics 365 データをクエリしてみましょう。

  1. Ignition Designer Launcher を開き、使用する Gateway を選択して Open Designer をクリックします(一覧に Gateway が表示されていない場合は、Add Designer をクリックして http://localhost:8088 を入力します)。Gateway の管理者アカウントでログインしてください。 Designer Launcher から Designer へのログイン
  2. プロジェクトを開くか、新規に作成します。Designer が開き、Project Browser、Tag Browser、Component Palette の各パネルが表示されます。 Ignition Designer のメインウィンドウ
  3. Designer で Tools > Script Console に移動します。Multiline Buffer にテストクエリを入力し、Execute をクリックします。GoalHeadings の部分は、Dynamics 365 接続で利用可能な任意のテーブルに置き換えてください。
    print system.db.runQuery(
        "SELECT GoalHeadingId, Name FROM GoalHeadings LIMIT 10",
        "Dynamics 365")
    Script Console でのテストクエリの実行(画面は Salesforce の例)
  4. クエリが成功すると、Interactive Interpreter パネルに PyDataset rows:10 cols:2 と出力されます。これで、Ignition が CData JDBC Driver を介して Dynamics 365 からリアルタイムデータを取得できたことを確認できます。

注意: スクリプト内の接続名は、ステップ 3 で設定した接続名と一致させる必要があります。

ステップ 5:結果の検証

  1. 取得した行を出力し、Dynamics 365 上の同じレコードと値を照合します。
    ds = system.db.runQuery("SELECT GoalHeadingId, Name FROM GoalHeadings LIMIT 10", "Dynamics 365")
    for row in ds:
        print row["GoalHeadingId"], row["Name"]
  2. 必要に応じて、別のテーブルへのクエリやフィルタ付きのクエリも実行し、スキーマの検出とフィルタリングが正しく機能することを確認します。
  3. 必要に応じて Gateway サービスを再起動し、接続のステータスが VALID に戻ることを確認します。

トラブルシューティング

症状 考えられる原因と対処法
ドライバーのステータスが ERROR になるクラス名が間違っているか、Manage JAR files から JAR ファイルがアップロードされていません。
接続のステータスが FAULTED になる認証情報が間違っている、外部への Web 通信(HTTPS)がブロックされている、または CData のライセンスが見つからないことが考えられます。ステータスをクリックしてエラー内容を確認してください。
「Could not find a valid license」エラーが表示されるGateway は Windows サービスとして実行されているため、ユーザープロファイルに保存されたライセンスを読み取れません。管理者権限のコマンドプロンプトでドライバーの lib フォルダに移動して java -jar cdata.jdbc.dynamics365.jar --license を実行し、生成された .lic ファイルを C:\Windows\system32\config\systemprofile\.CData\ にコピーしてから、Gateway サービスを再起動してください。
データベース接続が見つからないスクリプト内の接続名が、Gateway の接続名と完全には一致していません。

Ignition 以外の環境でのドライバーのテスト

Gateway とは切り離してドライバー単体の動作を確認したい場合は、次のスタンドアロンの Java サンプルを実行してみてください。cdata.jdbc.dynamics365.jar と cdata.jdbc.dynamics365.lic は同じディレクトリに配置し、クラスパスに含めておく必要があります。

import java.sql.Connection;
import java.sql.DriverManager;
import java.sql.ResultSet;
import java.sql.Statement;

public class CDataExample {
    public static void main(String[] args) throws Exception {
        Class.forName("cdata.jdbc.dynamics365.Dynamics365Driver");
        String connectionString = "jdbc:dynamics365:OrganizationUrl=https://myaccount.operations.dynamics.com/;Edition=Sales;";
        try (Connection conn = DriverManager.getConnection(connectionString)) {
            Statement stmt = conn.createStatement();
            ResultSet rs = stmt.executeQuery("SELECT GoalHeadingId, Name FROM GoalHeadings LIMIT 10");
            while (rs.next()) {
                System.out.println(rs.getString("GoalHeadingId") + ", " + rs.getString("Name"));
            }
        }
    }
}

CData で Ignition にリアルタイムかつガバナンスの効いた Dynamics 365 連携を

CData JDBC Driver for Dynamics 365 を登録すれば、ETL 基盤や手作業でのエクスポート、独自の連携コードを用意することなく、Ignition からリアルタイムの Dynamics 365 データをクエリできます。同じ接続をタグや SQL Bridge、Perspective / Vision の画面でも再利用できます。

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