こんにちは。CData Software Japanの杉本です。
Google Workspaceをお使いの企業で、Geminiの活用が本格的に始まっています。ドキュメントの要約や、メールの下書きを日常的に任せている方も多いのではないでしょうか。ところが、Geminiが答えられるのは、Google Driveにあるファイルです。ファイルサーバーのように、Geminiが直接アクセスできない場所にある資料は、そのままではGeminiで活用できません。
一方で、ファイルサーバーの中身をすべてAIに見せたいわけではありません。そこでこの記事では、ファイルサーバーの資料のうちAIに見せたいものだけを選んで、CData ArcでGoogle Driveへ自動的に届ける方法をご紹介します。プログラミングは不要で、ノーコードのフローだけで構築できます。
題材として、各拠点がファイルサーバーに保存している売上実績のExcelファイルをGoogle Driveに集め、Geminiに全拠点の分析レポートと報告用のスライドを作ってもらいます。
作成するフローの全体像
今回作る仕組みの全体像は次のとおりです。

ポイントは次の3つです。
AIに見せてよいファイルだけを、「AI公開用」の共有ドライブに集める
ファイルサーバーを丸ごとコピーするのではなく、公開してよいフォルダ・ファイル形式に絞って配信します。
ファイルサーバーの運用は変えない
ファイルサーバーは引き続き正本として使い、Arcが新しいファイルや更新されたファイルを定期的にDriveへ届けます。
共有ドライブのメンバー設定が、「Geminiで誰がそのファイルについて聞けるか」の設定になる
GeminiはDriveのアクセス権に従うため、共有ドライブのメンバーを管理すれば、AIで参照できる範囲も管理できます。
事前準備
サンプルデータ
今回はファイルサーバーの 売上実績 フォルダに、拠点ごとの売上実績ファイル(Excel)を用意します。
売上実績_2026年度上期_東京本社.xlsx
売上実績_2026年度上期_大阪支店.xlsx
売上実績_2026年度上期_名古屋支店.xlsx
売上実績_2026年度上期_福岡支店.xlsx
売上実績_2026年度上期_札幌支店.xlsx
各ファイルには次の2つのシートがあります。
月次サマリー | 年月、売上目標、売上実績、目標達成率、前年同月実績、前年同月比、受注件数、備考 |
売上明細 | 受注日、伝票番号、顧客名、業種、商品カテゴリ、商品名、数量、単価、売上金額、担当者 |


各拠点の担当者が毎月このファイルを更新していますが、全社の状況を把握するには、5つのファイルを開いて数字を集計し、資料にまとめる必要がありました。この作業をGeminiに任せてみます。
※ サンプルデータの数値・社名・人名はすべて架空のものです。
Google Drive側の準備
Google Driveに共有ドライブ「AI公開用」を作り、用途ごとにフォルダを用意します。今回は売上実績を配信する 売上データ フォルダを使います。

Google Cloud ConsoleでクライアントIDとシークレットを作成する
Google Cloud Console にサインインし、新しいプロジェクトを作成します(既存のプロジェクトを使うこともできます)。
「APIとサービス」→「ライブラリ」で「Google Drive API」を検索し、「有効にする」をクリックします。

APIs & Services > OAuth consent screenより、OAuth同意画面を作成します。アプリ名とユーザーサポートメール等を入力します。
APIs & Services > Credentials で Create credentials > OAuth client ID を作成し、アプリケーションの種類に「ウェブアプリケーション」を選択します。

「承認済みのリダイレクトURI」に、ArcのコールバックURLを追加します。コールバックURLは、ブラウザでArcにアクセスしているURL(ホスト名とポート)の後ろに「/src/oauthCallback.rst」を付けたものです。
例:Arcに http://localhost:8001 でアクセスしている場合 → http://localhost:8001/src/oauthCallback.rst

「作成」をクリックすると、クライアントIDとクライアントシークレットが表示されます。クライアントシークレットは後から確認できないため、この時点で必ず控えてください。
フロー作成方法
Fileコネクタでファイルサーバーからファイルを取得する
ArcのフローにFileコネクタを配置し、取得元のファイルサーバーを設定します。

File コネクタの設定画面では取得したいフォルダのパスとファイルマスクを指定します。
パス | ファイルの存在するパスを指定 |
ファイルマスク | パスの全てのExcel ファイルを対象とするため「*.xlsx」と指定 |
なおファイルサーバーがCData Arc をインストールしたサーバーと異なるサーバーの場合は以下の記事をご参考ください。
Windows 環境の CData Arc からネットワーク共有フォルダにアクセスする方法
次にキャッシングより、「タイムスタンプ比較を有効化」にチェックを入れます。こちらの設定を有効化することにより、前回実行時より、更新のあったファイルのみ連携される動作となります、

最後にオートメションタブで受信スケジュールを設定します。今回は毎日夜間に実行する設定にします。

Google Driveコネクタで共有ドライブにアップロードする
Google Driveコネクタの送信アクションを配置し、Fileコネクタとつなぎます。


Google Drive への接続に必要な情報を入力します。事前準備で作成したクライアントIdとシークレットを入力します。入力したら「新しいアクセストークンの取得」をクリックします。Googleのサインイン画面が表示されるので、共有ドライブ「AI公開用」への権限を持つアカウントでサインインし、アクセスを許可します。
アクセストークンの取得後は送信設定を行います。
送信スコープ | Shared Drives |
共有ドライブ | AI公開用 |
リモートフォルダ | 売上データ |
リモートフォルダを上書き | 有効化 |

動作確認
ファイルサーバーに売上実績ファイルを置き、受信操作を実行します。Google Driveコネクタのトランザクションタブで処理が成功したことを確認し、Google Driveの共有ドライブにファイルが届いていることを確かめましょう。


Geminiに分析レポートを作ってもらう
準備ができたので、Geminiに聞いてみましょう。Geminiアプリを開き@Google Driveで 売上データ フォルダ内のファイルを指定して依頼します。
@Google Drive 売上データ フォルダにある5拠点の売上実績ファイルをもとに、
2026年度上期の全社売上分析レポートをGoogleドキュメントで作成してください。
以下の内容を含めてください。
- 全社と拠点別の売上実績・目標達成率・前年同期比のサマリー表
- 目標を達成した拠点と未達の拠点、それぞれの要因(月次サマリーの備考も参考にしてください)
- 商品カテゴリ別の売上構成の傾向
- 下期に向けた課題と打ち手の提案


続けて、同じ会話の中で報告会用のスライドも依頼します。
このレポートの内容をもとに、経営会議で報告するための
スライド(Googleスライド、8枚程度)を作成してください。
1枚目はタイトル、2枚目は全社サマリー、続けて拠点別のハイライト、
最後に下期への提案という構成にしてください。


Geminiは1回の依頼につき1つのファイルを作成するため、レポートとスライドは分けて依頼するのがポイントです。
「5拠点のExcelを開いて、数字を集計して、ドキュメントとスライドにまとめる」という作業が、Geminiへの依頼2回で下書きまで完成しました。しかも、Arcが毎晩最新のファイルをDriveに届けているので、月末に同じ依頼をするだけで最新の数字でレポートを作り直せます。
まとめ
Geminiが答えられるのは、Google Driveにあるファイルです。ファイルサーバーの資料は、Driveへ届けてはじめてGeminiで活用できます
CData Arcを使えば、ノーコードのフローで「AIに見せたいファイルだけ」を選んでDriveへ自動配信でき、Geminiで活用できる資料を必要なものから増やしていけます
拠点ごとに分かれた売上ファイルも、Driveに届けておけばGeminiが横断的に分析し、レポートやスライドの作成まで任せられます
CData Arcは無償トライアルでお試しいただけます。まずは、お手元のファイルサーバーの1フォルダから試してみてはいかがでしょうか。
この記事では CData Arc 2026 - 26.3.9750 を利用しています