この記事でわかること
・ExcelファイルをClaudeにアップロードして分析すると、データが変わるたびに上げ直しが必要になる ・CData Connect AIでSharePoint・OneDrive上のExcelファイルにClaudeから直接接続する5つの手順 ・ユーザー本人の権限・ツールごとの許可設定・クエリログで、統制を効かせたままExcelを分析できる |
ExcelのデータをClaudeに読ませる方法はいくつもありますが、大きく分けると2通りです。1つはファイルをアップロードする方法で、データが変わらないうちは手軽に使えます。ただし数字が更新されるたびに、もう一度アップロードし直すことになります。
もう1つは、Excelファイルが置かれている場所にClaudeを直接つなぐ方法です。Claudeはその時点のファイルを読みに行くので、回答はいつも最新のデータにもとづきます。接続には認証と権限の統制が効いており、ファイルのコピーが手元に残ることもありません。
この記事で扱うのは後者です。単発の質問ではなく、チームで継続的に分析したい場合にこそ設定しておく価値があります。答えを得るためにスプレッドシートのコピーをメールやチャットで回し合う必要もなくなります。Claude側に特別な準備は要りません。CData Connect AIはClaudeのコネクタディレクトリに掲載されているため、MCPサーバーのURLを探して貼り付ける作業も不要です(MCPは、AIが外部のデータやツールにつながるための共通規格です)。
Claude in Excelアドインとの使い分けは?
「Claude Excel」で調べると、Excelの中でClaudeを使うアドイン「Claude in Excel」の情報も多く見つかります。どちらを選ぶかは、どこで作業したいかで考えると整理しやすいでしょう。
1つのファイルを開いて編集を進めたいなら、アドインが向いています。複数のファイルや部門のデータを横断し、統制を効かせたまま分析したいなら、Connect AIです。アドインの提供条件や機能の詳細は、Anthropicの公式情報をご確認ください。
アップロードとリアルタイム接続はどう違う?
チャットにファイルをアップロードするのは、1つのスプレッドシートについて1つの質問をするには最も手早い方法です。ただしClaudeが見ているのは、アップロードした瞬間で止まったスナップショットです。元のデータが更新された時点でその内容は古くなり、誰かが上げ直すのを覚えておかなければなりません。
CData Connect AIを通じたリアルタイム接続では、質問するたびにClaudeがファイルを直接参照します。チャットのスレッドにコピーが残ることはなく、誰かが手動で更新する手順もありません。
観点 | ファイルのアップロード | リアルタイム接続 |
データの鮮度 | アップロード時点のスナップショット。すぐに古くなる | 常に最新 |
権限 | ファイルを受け取った人は中身をすべて見られる | サインインしたユーザーのOneDrive・SharePointの権限を引き継ぐ |
監査 | 何をいつ共有したかの記録が残らない | すべてのクエリがログに残る |
ほかのデータソースとの組み合わせ | Claudeの外で手作業 | 同じ接続・同じプロンプトで可能 |
この違いが効いてくるのは、中身が動き続けるファイルです。たとえば営業の案件管理表や週次の在庫表、経理が数日おきに更新する経費シートが当てはまります。昨年作った予算のひな形のように中身が変わらないものなら、アップロードで十分でしょう。チームが定期的に開くファイルほど、チャットへの添付より接続のほうが向いています。
ここからは、まずConnect AI側でExcelを接続し、次にClaude側でコネクタを追加する流れで見ていきましょう。

Step 1:Excel Onlineを接続するには?
Connect AIでExcel Online(SharePoint・OneDrive上のExcel)に接続する作業は、数分で終わります。
Connect AIでSourcesページを開き、+ Add Connectionをクリックします。
「Excel Online」を検索して選択します。
Basic Settingsタブで接続名を入力します。既定の名前のままでも構いません。
認証方式を選びます。個人や少人数のチームであれば、通常はAzureADで足ります。SharePointサイトに接続する場合はSharepoint URLを入力し、OneDriveに接続する場合は空欄のままにします。
Sign inをクリックしてOAuthの画面でログインし、求められた権限を許可します。
Save & Testをクリックします。テストに成功すると接続のステータスがAuthenticatedになり、Data Modelタブで取り込まれたデータモデルを確認できます。
部門や全社で展開する場合は、AzureServicePrincipalとAzureServicePrincipalCertという2つの認証方式も選べます。どちらも個人のサインインではなく、Azureに登録したアプリで認証する方式です。テナントID・クライアントIDに加えて、クライアントシークレットか証明書を使います。
設定の流れはAzureADとほぼ同じです。違いは、管理者がアプリを一度登録すれば済むことと、特定の担当者のログイン状態に接続が左右されないことです。担当者の異動や退職で接続が切れる事態を避けたい場合は、こちらを検討するとよいでしょう。
なお、構成によってはファイル内のテーブルがExcelOnlineではなくOneDriveというスキーマ名で表示されることがあります。あるはずのテーブルへのクエリが空で返ってきたら、Explorerでスキーマを確認してみてください。多くの場合、名前が違うだけです。
詳しい設定項目はExcel Online接続のドキュメントにまとまっています。
Step 2:Claudeにコネクタを追加するには?
Connect AI側でExcelを接続したら、次の作業はすべてClaudeの画面の中で完結します。MCPサーバーのURLを入力したり、設定ファイルを編集したりする必要はありません。
claude.aiにサインインし、左のナビゲーションメニューからSettings > Connectorsを開きます。
右上のDiscoverタブをクリックし、コネクタのディレクトリを開きます。
「CData Connect AI」を検索して選択します。
Connectをクリックし、サインインして認可を完了します。
Configureをクリックし、ツールごとにAlways allow(常に許可)・Needs approval(承認が必要)・Block(ブロック)のいずれかを設定します。
ツール単位の権限設定は、利用者側で最初に行うガバナンス上の判断になります。すべてを一括で許可・禁止する切り替えではなく、ツール単位で決められます。データを読み取るだけのツールはAlways allowのままで構いません。データを書き込んだり変更したりするツールは、挙動を確かめるまでNeeds approvalにしておくのが妥当です。
導入したばかりのチームであれば、最初の1週間はすべてのツールをNeeds approvalにしておくのがリスクの低い始め方ではないでしょうか。Claudeの使い方を見たうえで、問題のないツールから順に制限を緩めていけます。Claude側の設定の詳細はClaudeとの接続ドキュメントを参照してください。また、Connect AIがClaudeのコネクタディレクトリに掲載された経緯はこちらの記事で紹介しています。
Step 3:Excelファイルはどう整えておく?
Connect AIが参照できるのは、OneDriveまたはSharePointサイトに保存されたExcelファイル(ブック)です。Claudeに問い合わせたいファイルは、これらの場所に置いておきます。部門で共有している表であれば、SharePointのチームサイトにまとめておくと権限の管理もしやすくなります。
あわせて、表の構造を整えておくとClaudeの回答の精度が上がります。次の4点を確認しておきましょう。
見出し行は1行だけにし、列名をそろえる
日付と数値は標準的な書式にする
セルを結合しない
データ範囲の途中に空白行を入れない
ファイルを一から作り直す必要はありません。何か月も手で編集するうちに入り込んだクセを片付ける程度で十分です。同じ列に3種類の日付書式が混ざっていたり、データ範囲の途中に小計行が挟まっていたりすると、Excelの数式でもつまずきます。Claudeも同じで、こうした乱れがあると、データを正しく読み取れずにつまずきます。
なお、社内のファイルサーバーや個人のPCに保存したExcelは、この接続の対象外です。SharePointやOneDriveに移せない事情がある場合は、ファイル連携を得意とするCData Arcで、ファイルサーバー上のファイルを他のシステムへ連携する方法もあります。AIにファイルを「届ける」「読ませる」具体的なシナリオは、CData Arc のファイル連携 - AI に「届ける」「読ませる」シナリオのまとめで紹介しています。
Step 4:Claudeにどう質問する?
コネクタの設定が済んだら、新しいチャットを開いて質問してみましょう。Claudeは、回答にどのConnect AIのツールを使うかを説明します。Needs approvalに設定したツールは、実行前に確認を求めてきます。
質問は、同僚に頼むときと同じくらい具体的で構いません。日々の業務で使う表に対しては、たとえば次のような聞き方がうまくいきます。
「この経費シートで項目ごとの前月比を出して、15%以上増減したものに印を付けてください」
「このファイルの売上上位10社の取引先をまとめてください」
「この在庫表で、同じ列のほかの行と比べて外れ値に見える行はどれですか?」
自社の使い方に合わせた質問の出発点がほしい場合は、CDataのプロンプトライブラリも参考になります。
Step 5:結果はどう保存・共有する?
Claudeは分析した結果を、書式を整えた新しいスプレッドシートやレポートにまとめられます。作成したファイルはダウンロードして共有できます。元のファイルを上書きせず新しいファイルとして保存しておけば、いつ何が変わったのかを後から追えます。そのファイルを使っているほかのメンバーにも影響しません。
元のファイルに直接書き戻すこともできます。Connect AIのExcel Onlineコネクタは行の追加・更新・削除に対応しており、接続の権限で書き込みが許可されていれば実行できます。ただし変更はすぐにファイルへ反映され、元に戻す手段はありません。書き戻しはまずファイルのコピーで試し、書き込み権限は必要なユーザーと接続に絞っておきましょう。
応用編:ほかの業務データと組み合わせるには?
この接続には、Excelファイル単体ではできないことがあります。1つのプロンプトで、Excelファイルとほかの業務システムのデータを組み合わせられる点です。SalesforceやSAPなどもConnect AIで接続していれば、誰かが別のファイルをエクスポートしなくても、Claudeがシステムをまたいで比較できます。MCPでつないだ業務データをAIに直接扱わせる使い方は、すでに現場で成果を上げています。ヘルスケア分野の専門商社の導入事例では、MCPでつないだ大量の商品データをAIにプロンプトだけで分類させ、開発をせずに市場特性に沿った分析を実現しています。
どちらの側も同じ統制の効いた接続で、つなぐ先が1つから2つに増えるだけです。また同じConnect AIの接続は、ChatGPTやMicrosoft CopilotなどほかのAIアシスタントからも使えるため、AIツールの選択肢を狭めずに済みます。Excel以外の業務データを同じ方法でつなぐ例として、Claude × kintone × CData Connect AI MCP ハンズオンも用意しています。
セキュリティとガバナンスはどう担保する?
この構成のガバナンスは、2つの層の組み合わせで成り立っています。
1つ目はOAuthのパススルーです。ClaudeがConnect AI経由でファイルに問い合わせるとき、使われるのはサインインしたユーザー本人のOneDrive・SharePointの認証情報(クレデンシャル)です。広い権限を持つ共有のサービスアカウントではありません。本人が直接開けないファイルは、Claudeが代わりに問い合わせても開けません。アクセス権は本人のもので、これまでと同じ場所で同じように制御されます。
2つ目は、Claudeのコネクタ設定で行うツール単位の権限設定です。ユーザーがもともと持っている権限の範囲内でも、操作ごとに扱いを変えられます。Always allow・Needs approval・Blockによって、自動で実行してよい操作と人の確認を挟む操作を分けられるのです。さらにConnect AI側のクエリログには、何が問い合わせられ何が取得されたかが記録されます。セキュリティ担当者が「AIが実際に何に触れたのか」を推測ではなく記録で答えられるのは、このログがあるからです。
2つの層は、それぞれ別の問いに答えています。OAuthのパススルーが答えるのは「この人はそもそもこのデータを見られるのか」という問いです。ツールの権限設定とログが答えるのは「Claudeは与えられたアクセス権で実際に何をしたのか」という問いです。どちらか一方だけでは足りませんが、両方そろえばセキュリティレビューで問われる内容の大半をカバーできます。社内で本格的に展開する際のガバナンス設計は、エンタープライズMCPガバナンス完全ガイドも参考になります。

社内で導入を申請する際は、次の項目を確認しておくと説明がスムーズです。
Claudeからのアクセスは、ユーザー本人のOneDrive・SharePointの権限で行われる
Connect AI側で、問い合わせの内容がクエリログとして記録される
Claude側で、ツールごとにAlways allow・Needs approval・Blockを設定できる
ファイルのアップロードやレプリケーションは発生しない
CData Connect AIはSOC 2 Type IIとISO/IEC 27001:2022の認証を取得している
接続するのは、チームが必要とするOneDriveのフォルダーやSharePointサイトに絞る(テナント全体はつながない)
書き込みができるツールは、挙動を確認するまでNeeds approvalかBlockにしておく
クエリログは問題が起きたときだけでなく、定期的に見直す
まとめ:アップロードの先にあるExcel連携
Claudeにファイルをアップロードして得られるのは、ある一瞬のデータについての1つの答えです。CData Connect AIによるリアルタイム接続なら、一度つなげば、続けて出てくる追加の質問にもその場で答えられます。参照するのはいつも最新のデータで、権限は元のシステムに置いたままです。
よくある質問
ExcelとClaudeを連携するにはどうすればよいですか?
CData Connect AIにExcel Onlineをデータソースとして追加し、ClaudeのSettingsにあるConnectorsからCData Connect AIコネクタを追加します。MCPサーバーのURLを入力する必要はありません。
Excelファイルはクラウドに置く必要がありますか?
はい。Excel Onlineの接続で読み取れるのは、OneDriveまたはSharePointサイトに保存されたExcelファイルです。ファイルサーバーに置いたExcelを他のシステムと連携したい場合は、ファイル連携ツールのCData Arcを使う方法もあります。
ExcelのデータはClaudeにコピーされますか?
いいえ。ClaudeはConnect AIを通じてファイルにその都度問い合わせます。ファイルのアップロードやレプリケーションは発生せず、回答は常に現在のファイルの内容にもとづきます。
Claudeは元のExcelファイルを編集できますか?
できます。指示にもとづいて新しいExcelファイルを作成できるほか、接続の権限で書き込みが許可されていれば、元のファイルに行の追加・更新・削除もできます。変更はすぐに反映され元に戻す手段がないため、まずコピーで試し、書き込み系のツールはNeeds approvalに設定しておくことをおすすめします。
Claude in Excelアドインとは何が違いますか?
アドインはExcelで開いているファイルの中でClaudeを使う形です。Connect AIによる接続はClaudeの側から、SharePoint・OneDrive上のExcelファイルやほかの業務システムにまとめて問い合わせる形で、ユーザー本人の権限の引き継ぎとクエリログによる統制が付きます。
Claudeの分析結果はそのまま使ってよいですか?
重要な数値は、元のファイルと照合してから使うことをおすすめします。Connect AIのクエリログを見れば、Claudeがどのデータを問い合わせて回答したかを後からたどれます。書き込み系のツールはNeeds approvalにしておけば、意図しない変更も防げます。
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