CData JDBC Driver for RabbitMQ で Ignition SCADA と連携
Ignition は、Inductive Automation 社が提供する産業用の SCADA(監視制御およびデータ収集)および IIoT(産業用モノのインターネット)プラットフォームです。中核となる Gateway サービスが、デバイス接続やタグ、データベース接続を一元的に管理します。ただし、Ignition には RabbitMQ 用のコネクタが標準で用意されていません。そのため、RabbitMQ のデータを扱うには、独自のミドルウェアを用意するか、手作業でデータをエクスポートするのが一般的です。
CData JDBC Driver for RabbitMQ を使えば、この課題を解消できます。このドライバーは、RabbitMQ を標準的な JDBC(Java Database Connectivity)データソースとして利用できるようにするものです。Ignition はどの JDBC ドライバーも標準のデータベース接続として扱えるため、Gateway にドライバーを登録するだけで、Script Console や SQL Bridge、タグ、Perspective / Vision の画面からリアルタイムの RabbitMQ データをクエリできます。レプリケーションや独自コネクタ、ETL(抽出・変換・ロード)パイプラインは必要ありません。
この記事では、Ignition のインストールとコミッショニングから、CData JDBC Driver for RabbitMQ の登録、接続の作成、リアルタイムクエリによる動作確認までの流れを順を追って紹介します。
前提条件
- Windows 版 Ignition(Windows 10/11 または Windows Server)と、Windows サービスをインストールするための管理者権限
- CData API Driver for JDBC
- 有効な認証情報を持ち、API アクセスが有効化された RabbitMQ アカウント
- Gateway の Web インターフェースを開くための対応デスクトップブラウザ(Google Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edge、Safari のいずれか)
ステップ 1:Ignition のインストールとセットアップ
Ignition をすでにインストールして稼働させている場合は、ステップ 2 に進んでください。
Ignition のダウンロード
-
Inductive Automation のダウンロードページにアクセスし、Windows 版の Ignition をダウンロードします。
- このファイルひとつで Ignition Gateway のフルインストーラーになっています。Gateway サービスと Designer Launcher の両方が含まれているので、Designer を別途ダウンロードする必要はありません。
Ignition のインストール
- インストーラーを実行し、ライセンス契約に同意してインストール先を選択します。
- Windows の起動時に Gateway も自動で起動するよう、Install as a Windows Service にはチェックを入れたままにしておきます。
- インストールを完了すると Gateway サービスが起動し、ブラウザで http://localhost:8088 が開いてコミッショニングウィザードが表示されます。Browser Not Supported と表示された場合は、Chrome、Firefox、Edge、Safari のいずれかで同じアドレスを開いてください。
Gateway のコミッショニング
- Commission Ignition Gateway ウィザードで Gateway Name を設定し、管理者のユーザー名とパスワードを作成します。
- エンドユーザー使用許諾契約に同意し、トライアルを開始するか、購入済みの Ignition ライセンスをアクティベートします。
-
コミッショニングが完了したら、管理者アカウントでログインします。Gateway の Home ページが表示されます。
注意: トライアル版では Gateway の各ページにカウントダウンタイマーが表示され、Gateway サービスを再起動するとタイマーがリセットされます。テスト用途であれば問題ありませんが、本番環境で利用する場合はライセンスが必要です。
ステップ 2:Ignition への CData JDBC Driver の登録
Ignition では、サードパーティ製の JDBC ドライバーを Gateway の Web インターフェースからアップロードできます。ファイルシステムを直接操作する必要はありません。
- 管理者として Gateway にログインします。
- Connections > Databases > Settings に移動して Drivers タブを開き、Create JDBC Driver をクリックします。
-
ダイアログで次の内容を入力します。
- Name: RabbitMQ
- Classname: cdata.jdbc.api.APIDriver
- Driver Type: Generic
- Default Validation Query: SELECT FROM AuthAttempts LIMIT 1
- Create JDBC Driver をクリックします。現行の Ignition 8.3 では作成ダイアログに JAR(Java アーカイブ)ファイルのアップロード欄がないため、JAR ファイルは次の手順で追加します。
- 作成したドライバーの行の右端にあるメニューを開いて Manage JAR files を選択し、ドライバーのインストールディレクトリ内の lib フォルダにある cdata.jdbc.api.jar をアップロードして保存します。
-
ドライバー一覧で、ドライバーのステータスが INSTALLED になっていることを確認します。
ステップ 3:RabbitMQ への接続の作成
- Connections > Databases > Connections に移動し、Create Database Connection をクリックします。
-
Driver Selection ステップで RabbitMQ を選択し、Next をクリックします。
- Database Setup ステップで、Name に RabbitMQ を設定します。認証情報は接続 URL に含めるため、Username は空欄のままにし、Password は None を選択します。
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Connect URL に接続文字列を入力します。
jdbc:api:Profile=C:\profiles\\RabbitMQ.apip;AuthScheme=Basic;URL=http://localhost:15672;User=guest;Password=guest;
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Create Database Connection をクリックし、Database Connections ページで接続のステータスが VALID になっていることを確認します。
RabbitMQ の接続プロパティ
RabbitMQ Management HTTP API について
RabbitMQ は、複数のメッセージングプロトコルをサポートするオープンソースのメッセージブローカーです。RabbitMQ Management HTTP API は、RabbitMQ サーバーの管理データと監視データに HTTP 経由でアクセスする手段を提供します。この API では、仮想ホスト、エクスチェンジ、キュー、バインディング、コネクション、チャネル、コンシューマー、ユーザー、権限、ポリシー、クラスター全体の統計情報を取得できます。
HTTP API を利用するには、RabbitMQ サーバーで Management プラグインを有効化する必要があります。デフォルトでは、管理インターフェースはポート 15672 でリッスンします。
Basic 認証の設定
RabbitMQ Management HTTP API は HTTP Basic 認証を使用します。RabbitMQ 管理ユーザーのユーザー名とパスワードを指定する必要があります。
管理 API へのアクセスを有効にするには、以下のステップで進めます:
- サーバーで RabbitMQ Management プラグインが有効になっていることを確認します(rabbitmq-plugins enable rabbitmq_management)。
- 既存の管理ユーザーを使用するか、適切な管理タグ(management、policymaker、monitoring、または administrator)を持つユーザーを作成します。
- RabbitMQ Management HTTP API の完全なベース URL を控えておきます(例:http://localhost:15672)。
RabbitMQ サーバーを設定したら、以下の接続プロパティを設定して接続します:
- AuthScheme:Basic に設定します。
- URL:RabbitMQ Management HTTP API のベース URL に設定します(例:http://localhost:15672)。
- User:RabbitMQ の管理ユーザー名に設定します(例:guest)。
- Password:RabbitMQ の管理パスワードに設定します。
接続文字列の例:
Profile=C:\profiles\RabbitMQ.apip;AuthScheme=Basic;URL=http://localhost:15672;User=guest;Password=guest;
利用可能なテーブル
RabbitMQ プロファイルでは、以下のテーブルにアクセスできます:
- Overview - クラスター全体の統計情報と RabbitMQ ノードに関する情報
- Nodes - RabbitMQ クラスター内の個々のノードに関する情報
- NodeMemory - 特定のクラスターノードの詳細なメモリ使用状況の内訳
- Connections - ブローカーへのすべてのオープンな AMQP コネクションの一覧
- Channels - すべてのコネクションにわたるオープンな AMQP チャネルの一覧
- Consumers - すべてのキューに登録されたコンシューマーの一覧
- Exchanges - すべての仮想ホストで宣言されたエクスチェンジの一覧
- Queues - すべての仮想ホストで宣言されたキューの一覧
- Bindings - エクスチェンジとキュー間のすべてのバインディングの一覧
- VirtualHosts - ブローカーに設定された仮想ホストの一覧
- VhostPermissions - 特定の仮想ホスト内のユーザー権限
- Users - すべての RabbitMQ ユーザーの一覧
- Permissions - すべての仮想ホストにわたる全ユーザーの権限レコード
- TopicPermissions - 全ユーザーのトピックレベルの権限レコード
- Policies - 仮想ホスト内のキューおよびエクスチェンジに適用されたポリシーの一覧
- OperatorPolicies - 仮想ホスト内のキューに適用されたオペレーターポリシーの一覧
- Parameters - 仮想ホストごとのコンポーネントパラメータ(例:federation、shovel)の一覧
- GlobalParameters - すべての仮想ホストに適用されるグローバルパラメータの一覧
- VhostLimits - 特定の仮想ホストに設定されたリソース制限
- UserLimits - 特定のユーザーに設定されたリソース制限
- FeatureFlags - フィーチャーフラグの一覧と、ノード上での有効/無効の状態
- DeprecatedFeatures - 非推奨機能の一覧と、その使用状態
- AuthAttempts - ノードの認証試行統計
- ClusterName - RabbitMQ クラスターの名前
- WhoAmI - 現在認証されている管理ユーザーに関する情報
- ExchangeBindingsSource - 特定のエクスチェンジがソースとなっているバインディング
- ExchangeBindingsDestination - 特定のエクスチェンジが宛先となっているバインディング
- QueueBindings - 仮想ホスト内の特定のキューのバインディング
注意: パスワードやトークンにセミコロンが含まれていると接続 URL が正しく解釈されません。その場合は、セミコロンを含まない値に再設定してください。
ステップ 4:Ignition からリアルタイムの RabbitMQ データをクエリ
接続が有効になったら、Designer からリアルタイムの RabbitMQ データをクエリしてみましょう。
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Ignition Designer Launcher を開き、使用する Gateway を選択して Open Designer をクリックします(一覧に Gateway が表示されていない場合は、Add Designer をクリックして http://localhost:8088 を入力します)。Gateway の管理者アカウントでログインしてください。
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プロジェクトを開くか、新規に作成します。Designer が開き、Project Browser、Tag Browser、Component Palette の各パネルが表示されます。
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Designer で Tools > Script Console に移動します。Multiline Buffer にテストクエリを入力し、Execute をクリックします。AuthAttempts の部分は、RabbitMQ 接続で利用可能な任意のテーブルに置き換えてください。
print system.db.runQuery( "SELECT , FROM AuthAttempts LIMIT 10", "RabbitMQ")
- クエリが成功すると、Interactive Interpreter パネルに PyDataset rows:10 cols:2 と出力されます。これで、Ignition が CData JDBC Driver を介して RabbitMQ からリアルタイムデータを取得できたことを確認できます。
注意: スクリプト内の接続名は、ステップ 3 で設定した接続名と一致させる必要があります。
ステップ 5:結果の検証
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取得した行を出力し、RabbitMQ 上の同じレコードと値を照合します。
ds = system.db.runQuery("SELECT , FROM AuthAttempts LIMIT 10", "RabbitMQ") for row in ds: print row[""], row[""] - 必要に応じて、別のテーブルへのクエリやフィルタ付きのクエリも実行し、スキーマの検出とフィルタリングが正しく機能することを確認します。
- 必要に応じて Gateway サービスを再起動し、接続のステータスが VALID に戻ることを確認します。
トラブルシューティング
| 症状 | 考えられる原因と対処法 |
|---|---|
| ドライバーのステータスが ERROR になる | クラス名が間違っているか、Manage JAR files から JAR ファイルがアップロードされていません。 |
| 接続のステータスが FAULTED になる | 認証情報が間違っている、外部への Web 通信(HTTPS)がブロックされている、または CData のライセンスが見つからないことが考えられます。ステータスをクリックしてエラー内容を確認してください。 |
| 「Could not find a valid license」エラーが表示される | Gateway は Windows サービスとして実行されているため、ユーザープロファイルに保存されたライセンスを読み取れません。管理者権限のコマンドプロンプトでドライバーの lib フォルダに移動して java -jar cdata.jdbc.api.jar --license を実行し、生成された .lic ファイルを C:\Windows\system32\config\systemprofile\.CData\ にコピーしてから、Gateway サービスを再起動してください。 |
| データベース接続が見つからない | スクリプト内の接続名が、Gateway の接続名と完全には一致していません。 |
Ignition 以外の環境でのドライバーのテスト
Gateway とは切り離してドライバー単体の動作を確認したい場合は、次のスタンドアロンの Java サンプルを実行してみてください。cdata.jdbc.api.jar と cdata.jdbc.api.lic は同じディレクトリに配置し、クラスパスに含めておく必要があります。
import java.sql.Connection;
import java.sql.DriverManager;
import java.sql.ResultSet;
import java.sql.Statement;
public class CDataExample {
public static void main(String[] args) throws Exception {
Class.forName("cdata.jdbc.api.APIDriver");
String connectionString = "jdbc:api:Profile=C:\profiles\\RabbitMQ.apip;AuthScheme=Basic;URL=http://localhost:15672;User=guest;Password=guest;";
try (Connection conn = DriverManager.getConnection(connectionString)) {
Statement stmt = conn.createStatement();
ResultSet rs = stmt.executeQuery("SELECT , FROM AuthAttempts LIMIT 10");
while (rs.next()) {
System.out.println(rs.getString("") + ", " + rs.getString(""));
}
}
}
}
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