
こんにちは。CData Software Japan リードエンジニアの杉本です。
「商談が終わったあとの議事録入力、メール送信、タスク登録……気づいたら1時間経っていた」という経験はないでしょうか。商談中・直後のフォローアップ作業は、地味ながら営業の生産性を大きく左右します。
かくいう私も、新人のころは議事録作成からSFAへの登録・更新、メールの送信、タスク管理まで本当に時間がかかっていました。議事録のレビューまで含めたら、1時間で終わらないことなんて、いくらでもあったなと感慨深いです。
議事録を作成することは、新人時代にとってその商談やプロジェクトの理解にとって大事な要素だと思いましたし、その業務そのものをあまり否定はしたくないところです。とはいえ昨今の人材不足の観点を含めると、営業は「顧客と接する時間、商談に割く時間を最大化する」ことがより重要な要素になるのではないでしょうか。
昨今MS Teams のミーティングサマリー機能なども発達してきて、とても手軽になりましたが、とはいえ業務システムと連動して商談プロセス全体のパフォーマンスを良くするところまでは至っていません。

そこで今回は Microsoft 365 Copilot Cowork と CData Connect AI を組み合わせて、商談後の「議事録 → kintone 登録 → タスク登録 → フォローアップメール」の一連の流れを自動化する方法を紹介します。
なぜ商談後の入力作業が負担になるのか
さて、改めて「なぜ商談後の入力作業が負担になるのか?」という点の全体像を少し整理しておきましょう。商談直後に行う作業は意外と多くあります。
これらは単純作業ですが、商談内容が新鮮なうちに対応する必要があります。とはいえ次の商談が詰まっていると後回しになりがちで、入力漏れや記録の属人化も起きやすくなります。
さらにkintone でSFA・CRM 的な商談管理を行っていく際に、適切なデータ入力はすべての土台になります。そこが人によって入力されたり、されなかったり、後回しにされていると、マネージャー含めて組織として適切な商談・パイプラインの分析、ネクストアクション、改善活動を実施することができません。
今回の記事はそんなデータの土台作りの部分にも繋がる内容です。
こんなことができるようになります
この記事で実現できるイメージは以下のような感じです。
シナリオ①:商談記録を kintone に自動登録
「さっきの○○社との打ち合わせ内容を kintone に登録して」と伝えるだけで、活動日・議事内容・課題・ネクストアクション・次回日程を「構造化」して商談記録アプリに登録します。確認ダイアログで内容を確認してから登録するため、誤入力の心配もありません。

そのままMS Teams に共有してもらうのも良いですね。
シナリオ②:ネクストアクション → kintone タスク自動登録
「○○社の商談記録からネクストアクションをタスクに登録して」と依頼すると、最新の商談記録を取得して担当者・期日付きでタスク管理アプリに登録します。

さらにOutlook の予定表にリマインドの予定として登録してもらうのも良いでしょう。
シナリオ③:フォローアップメール自動生成
「○○社への商談後のお礼メールを書いて」と伝えると、商談記録から議事サマリ・確認事項・次回日程を抽出してメール文面を生成します。送信前に確認できます。

構成と仕組み
今回の構成は以下のとおりです。Copilot Cowork に加えて、AI 向けデータコネクタ「CData Connect AI 」を組み合わせて実現します。
役割 | ツール |
|---|
AI アシスタント | Microsoft 365 Copilot Cowork |
データ接続・書き込みレイヤー | CData Connect AI(MCP 経由) |
業務データ | kintone(商談記録・タスク管理・商談管理) |

ここで最も重要なのは、CData Connect AI は kintone への書き込みにも対応している点です。Cowork から kintone にデータを登録・更新することができることにより、営業担当者の入力負荷、作業コストを最小限に抑えることができるようになります。
ちなみにここでのやり取りにはMCP(AIエージェントが外部データに接続するための標準プロトコル)が利用されています。
準備としては大まかに以下の手順が必要です。
設定手順の詳細は以前の記事「Copilot Cowork で kintone のデータを活用する方法:CData Connect AI × MCP プラグイン連携」をご覧ください。
ちなみに書き込み機能を使う場合は、あらかじめCData Connect AI の権限を調整しておきましょう。

また、Copilot Cowork には「承認ダイアログ」機能があり、外部システムへの書き込み前にユーザーが内容を確認・承認する仕組みが組み込まれています。この承認ダイアログが「誤入力・誤送信の防止」として機能するのがポイントです。
シナリオ①:商談記録を kintone に自動登録
商談直後に使えるシナリオです。今回は MS Teams の会議文字起こしを活用する方法を紹介します。Teams で会議を録画すると自動で文字起こしが生成されますが、これを Cowork に依頼するだけで、AI が自動的に取得して、議事内容の構造化と kintone への登録まで一気に行えます。
文字起こしの例(冒頭抜粋)
たとえば、以下のような文字起こしが Teams から取得できたとします。
[00:00:04] sugimotok: 田中さん、本日はお時間いただきありがとうございます。
本日は先日ご要望いただいたセキュリティ要件の確認と、
実際のデモをお見せできればと思います。
[00:00:18] 田中 誠一: よろしくお願いします。うちの IT 部長も今日は同席しています。
データの取り扱いについては IT 部門からも
いくつか確認させてもらいたいことがあって。
[00:01:50] 田中 誠一: つまり、クラウドへのデータ送信はないということですね?
[00:01:55] sugimotok: そうです。データはお客様の環境から外に出ません。
接続の認証には OAuth 2.0 を採用していますので、
アクセストークンによる厳密なアクセス制御が可能です。
[00:04:05] 田中 誠一: 見積を出してもらえますか?
[00:04:58] 田中 誠一: オンプレミスです。社内のサーバーに立ってます。
[00:05:54] sugimotok: 来週の火曜日、7月8日あたりにご報告できればと思いますが
いかがでしょうか?
(以下続く)
プロンプト例
この文字起こしを Cowork に渡して、次のように依頼します。今回はサンプルの文字起こしデータで行っていますが「MS Teams から今日のテクノフロンティアとの打ち合わせの文字起こして取得して」と書き換えてもOKです。
以下の文字起こしをもとに、「株式会社テクノフロンティア」との打ち合わせ内容を
kintone の商談記録アプリに登録して。
活動日は本日、活動種別は Web会議。確認してから登録してね。
[文字起こし全文を貼り付け]
Cowork は文字起こしの内容を解析し、議題・議事内容・課題・ネクストアクション・次回日程を自動で抽出・構造化したうえで、登録内容を確認ダイアログとして提示します。

Cowork が抽出・構造化した内容のイメージはこのようになります。
・活動日: 本日
・活動種別: Web会議
・参加者: 田中 誠一(顧客)、sugimotok
・議題: セキュリティ要件と IT部門デモ
・議事内容: OAuth認証とデータアクセス制御のデモを実施。IT部長から「クラウドへのデータ送信なし」を確認。見積提出を依頼された。
・課題・懸念: オンプレミス SQL サーバーとの接続可否を確認したい
・ネクストアクション: 見積書作成、オンプレ接続の技術検証
・次回日程: 2026-07-08
「承認」をクリックすると、CData Connect AI の MCP 経由で kintone の商談記録アプリにレコードが新規作成されます。

これで以下のようにkintone にレコードが作成されます。

補足:私が使っている議事録スキル
Copilot Cowork を使った kintone 登録と並行して、私自身は カスタムスキル summarize-meeting というものも作成して活用しています。文字起こしや会議メモを渡すと、以下を自動生成します。
通常のMS Teams のAI 要約では汎用的な内容にしかなりませんが、各社における商談管理で何を確認するのか? を明示化しておくと、より適切にデータ化されるのでオススメです。
フロー:
ファイルを読み込む
「商談」か「定例 / その他」かを自動判定
要約 MD を生成・保存(顧客名/Meetings/YYYYMMDD_会議名/)
商談のみ → セールスフィードバックファイルも生成
商談のみ → お礼メールドラフトも生成
要約 MD に含まれるもの:
商談専用セクション:
顧客関係者タイプ分析(ゴー・ゲッター / ティーチャー / スケプティック / ガイド / ブロッカーなど7分類)
BANT チェック(Budget / Authority / Need / Timeline)
SPICED 分析(Situation / Pain / Impact / Critical Event / Decision)
セールスフィードバックファイル(商談のみ):
「summarize-meeting スキルで分析・振り返り」→「Copilot Cowork で kintone に登録・タスク化」という役割分担で使うと、商談後の処理がひととおり完結します。
特に個人的に重要視しているのは、顧客関係者タイプ分析です。BtoB における商談はステークホルダーが多く存在し、それぞれコミュニケーション・プランニングが必要ですが、私自身はあまりそのあたりの見極めに苦手意識があるので、そこをAI に助けてもらっているなと感じています。
シナリオ②:ネクストアクション → kintone タスク自動登録
商談記録に登録されたネクストアクションを、そのままタスク管理アプリに転記するシナリオです。
プロンプト例:
「株式会社テクノフロンティア」の最新の商談記録からネクストアクションを取り出して、
kintone のタスク管理に期日と担当者をセットして登録して。
担当者は sugimotok、期日は1週間後にして。

Cowork はまず商談記録アプリから最新レコードのネクストアクションフィールドを取得し、その内容をタスク名として kintone のタスク管理アプリに登録します。商談記録とタスクの二重管理が自動で行われます。

さらにCopilot Cowork のOutlook カレンダー連携を併用すれば、自分のカレンダーにリマインダーを追加することも同時にできます。

シナリオ③ :フォローアップメール自動生成 → Outlook 下書き保存
商談後のお礼メール作成は毎回パターンが決まっていながら、ゼロから書くと意外と時間がかかります。Copilot Cowork には Outlook の下書き作成機能が組み込まれているため、メール文面の生成から下書き保存まで1回のプロンプトで完結できます。
プロンプト例:
「株式会社テクノフロンティア」の田中さん宛にフォローアップメールを書いて。
kintone から今日の商談記録を取得して、
御礼・議事サマリ・確認事項・次回日程を含む内容にして。
送らずに Outlook の下書きに保存しておいて。

Cowork は次の順序で処理します。
kintone の商談記録から議事内容・課題・ネクストアクション・次回日程を取得
取得した内容をもとにメール文面を自動生成
Outlook の下書きフォルダにメールを保存(宛先・件名・本文を自動セット)
「送らずに下書きに保存」と指示することで、すぐに送信せず Outlook 上で内容を確認・修正してから送れます。急いで送ってしまうリスクを防ぎながら、メール作成の手間はほぼゼロになります。

Copilot Cowork の承認ダイアログについて
kintone への書き込みや外部メールの送信など、影響の大きいアクションでは Copilot Cowork が自動で承認ダイアログを提示します。これは Cowork の「Responsible AI」の仕組みのひとつで、AIが勝手にデータを更新・送信してしまうリスクを防ぎます。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/copilot/responsible-ai/cowork-responsible-ai-overview

シナリオ設計の観点では、「kintone WF(ワークフロー)= 社内承認」「Cowork 承認ダイアログ = 外部送付の最終確認」 という役割分担が自然に成立します。kintone 側の承認ステータスが「承認済み」になってから Cowork が外部アクションを実行する、という設計にしておくと二重承認にならずスムーズです。
まとめ
このようにCopilot Cowork と CData Connect AI MCP を組み合わせることで、商談後のルーティン作業を大幅に自動化できます。
議事録の kintone 登録 → プロンプトと承認ダイアログで完結
ネクストアクションのタスク登録 → 商談記録から自動転記
フォローアップメール → 商談記録から自動生成・Outlook 下書きに保存
ぜひCData Connect AI のトライアルで、実際に自社のデータに繋いで試してみてください。
なにかわからないことがあれば、お気軽にサポートやお問い合わせからどうぞ。
https://jp.cdata.com/contact/