商談前の「下調べ・準備時間」をゼロにする:Copilot Cowork でkintone の商談情報を活用

by 杉本和也 | July 14, 2026

こんにちは。CData Software Japan リードエンジニアの杉本です。

「打ち合わせ前に顧客情報をかき集めて、競合との比較資料を作って、過去の商談記録を見返して……」という商談前の準備作業、毎回かなりの時間を取られていないでしょうか。

実際私もセールス・プリセールス業務を行っていた際に、顧客情報の整理、提案内容の検討に毎回30分〜1時間ほどかけるのが常でした。

CRMやSFAを使っていたとしても、一つ一つレコードを開いて、状況を確認し、気をつけなければいけないポイントを把握するというのは、地味に骨が折れる作業です。また、メールの履歴や契約管理などの情報はERP などにあったりすると、より面倒ですよね。

だからといって準備を怠り、打ち合わせで把握していないポイントを顧客から指摘を受けたりすると信頼関係にも影響が出てしまいます。

これは私個人の考えですが、「打ち合わせの成功可否は打ち合わせ前の下準備で7割くらい決まる」と思っているので、面倒とはいえ欠かせない仕事です。

とはいえ、ここは今AI の活用で大きく省力化できるポイントです。セールス人員が多い会社であれば、アシスタントにお願いするということもできるかもしれませんが、そこを今はAI エージェントにお願いすることが可能になっています。

もちろん、まとめてもらった情報を把握・理解する時間を省くことそのものはできませんが、余裕を持って顧客MTGに望めるようになったり、技術や勉強時間に充てることができるようになるのも嬉しいポイントです。

そこで今回は、リリースされたばかりのMicrosoft 365 Copilot Cowork と CData Connect AI を組み合わせて、kintone に蓄積された営業データを AI が自動で読み取り、打ち合わせ準備・アジェンダの生成や、提案書ドラフト、類似案件の分析まで一気にやってのける方法を紹介したいと思います!

こんなことができるようになります

まずこの記事で実現できることを先にお伝えしましょう。以下の3つのシナリオが、自然言語のプロンプトひとつで動くようになります。

シナリオ①:顧客リサーチ一括生成
「来週アポの○○社の商談準備をして」と Cowork に伝えるだけで、kintone の顧客マスタ・商談記録や活動履歴を取得し、Web 情報と組み合わせた提案サマリを自動生成します。

まとめてもらった情報を元に打ち合わせ資料を起こしてもらうのも良いですね。

シナリオ②:類似案件サジェスト
「製造業・大企業向けの商談がある。過去の受注・失注パターンを教えて」と聞くと、kintone の商談管理から関連案件を全件取得して、勝ちパターン・負けパターンを整理して返してくれます。

シナリオ③:パイプライン状況確認(マネージャー向け)
「今週のパイプラインを確認して」と依頼すると、担当者別の進行中商談・高確度案件・停滞案件を集計して一覧にしてくれます。

さらに、この内容をCopilot Cowork に依頼してMS Teams に投稿してもらって、進捗に遅れが出ているメンバーのフォローアップも自動で行えるようにする仕組みも実現できますね。

これらが実現できる仕組みと、実際のプロンプト例を以下で説明します。

構成と仕組み

今回の構成はシンプルです。Copilot Cowork に加えて、AI 向けデータコネクタ「CData Connect AI 」を組み合わせて実現します。

役割

ツール

AI アシスタント

Microsoft 365 Copilot Cowork

データ接続レイヤー

CData Connect AI(MCP 経由)

業務データ

kintone(顧客マスタ・商談管理・商談記録)

Copilot Cowork は、CData Connect AI をプラグインとして登録することで、kintone のデータに自然言語でアクセスできるようになります。Cowork 側からは「kintone に聞いてきて」と指示するだけで、バックエンドでAPI リクエストが発行されてデータが返ってきます。

ちなみにここでのやり取りにはMCP(AIエージェントが外部データに接続するための標準プロトコル)が利用されています。

準備としては大まかに以下の手順が必要です。

  1. CData Connect AI のアカウント作成と kintone コネクションの設定

  2. Copilot Cowork へのプラグイン登録

  3. Copilot Cowork の画面でプラグインを有効化、Connect AI への接続を実施

設定手順の詳細は以前の記事「Copilot Cowork で kintone のデータを活用する方法:CData Connect AI × MCP プラグイン連携」をご覧ください。

これで以下のように、CData Connect AI がプラグインが利用できるようになっていればOKです。

シナリオ①:顧客リサーチ一括生成

商談前に顧客情報・過去の商談記録・Web 情報をまとめて収集するシナリオです。

プロンプト例:

来週アポの「株式会社テクノフロンティア」の商談準備をして。
kintone から顧客情報と過去の商談記録を取得して、
会社の最新動向も Web で調べて、
30分商談用のサマリ(課題・提案ポイント・確認事項)をまとめて。

このプロンプトに対して Cowork は以下の動作を行います。

  1. CData Connect AI MCP 経由で kintone の顧客マスタを照会し、会社名・業種・担当者・連絡先を取得

  2. 同 MCP で商談記録アプリから直近5件の活動履歴・議事内容・ネクストアクションを取得

  3. Web Searchスキルで企業の公式サイト・ニュース・IR 情報を収集

  4. 上記を統合して「提案ポイント・確認事項・想定懸念」の形式でサマリを出力

ちなみにCData Connect AI は kintone の REST API を SQL として扱えるよう仮想化しているため、Cowork(LLM)は標準 SQL でデータを取得できます。

これにより、必要な項目を必要な分だけ、コンテキストを圧迫せずに取得できるため、コストパフォーマンス良く、Copilot Cowork が利用できます。

ちなみに、kintone に顧客のメールアドレスが含まれていれば、それを元にOutlook を検索して、メールのやり取りもコンテキストに含められると、より精度が良い結果が得られると思います。

シナリオ②:類似案件サジェスト

過去の受注・失注データから「勝ちパターン」を抽出するシナリオです。新規商談の戦略立案に役立ちます。

プロンプト例:

「製造業・大企業」向けの新規商談がある。
kintone の商談管理から過去の同業種案件を調べて、
受注できた案件と失注した案件のパターンを比較して、
今回使えそうな提案アプローチを3つ教えて。

失注理由・競合他社・確度の変遷など、kintone に蓄積されている情報を横断的に分析できるのがポイントです。

シナリオ③:パイプライン状況確認(マネージャー向け)

営業マネージャーが週次レビューの前に使えるシナリオです。

プロンプト例:

今月の営業パイプラインを確認して。
kintone の商談管理から全担当者の進行中商談を取得して、
・高確度案件(A判定)の合計金額
・停滞中の案件(最終更新から30日以上)
・今月中にクロージング予定の案件
を担当者別にまとめて。

商談管理の全件取得 → 条件によるフィルタリング → 担当者別集計という流れを Cowork が自動で行います。手動で kintone のビューを切り替えながら確認する作業がなくなります。

Tips:スケジュールを活用しよう

Copilot Cowork では日々の定型的な依頼をスケジュールとして登録しておくことが可能です。

例えば、毎朝Outlook の予定を確認してもらい、そこの会社名を拾って、打ち合わせ準備をお願いしておく、というのも良いですね。

まとめ

Copilot Cowork と CData Connect AI MCP を組み合わせることで、これまで30〜60分かかっていた商談前の準備作業を、プロンプトひとつで数分に短縮できます。

  • 顧客情報・商談記録の収集 → 自動化

  • 過去の類似案件分析 → プロンプト一発

  • パイプラインの集計 → リアルタイムに自然言語で照会

なにかわからないことがあれば、お気軽にサポートやお問い合わせからどうぞ。

https://jp.cdata.com/contact/