
こんにちは。CData Software Japan リードエンジニアの杉本です。
さて、前回の記事までCopilot Cowork とkintone、CData Connect AI を使いながら、商談をスムーズに回す、かつデータの蓄積を効率かつ適切にAI と行うアプローチを紹介してきました。
そこで次に必要となるのが、蓄積されたデータに基づいた分析・改善活動でしょう。
例えば「失注が続いているが、原因がよくわからない」「1on1 の前に担当者の状況を把握したいが、データを見て回るのが大変」という声はよく耳にします。kintone に商談データが蓄積されていても、分析・活用の手が回らないケースは多いのではないでしょうか?
特に、データの分析と一口に言っても、どんなカットで分析するのか? 何を仮説として持つのか? というのはそれだけで立派な一つのスキルセットです。
そこで今回は Microsoft 365 Copilot Cowork と CData Connect AI を使って、kintone に蓄積した商談データを自然言語で分析するシナリオを紹介したいと思います。
こんなことができるようになります
シナリオ①:失注分析レポート
「直近の失注案件を分析して」と伝えるだけで、失注理由・業種・金額規模を横断的に集計して改善ポイントを提示してくれます。

シナリオ②:担当者別タスク状況確認
「期限切れのタスクと今週期限のタスクを担当者別にまとめて」という一言で、タスク管理アプリの全件を取得・整理します。

棚卸ししたタスクは担当者へのリマインドとして、MS Teams に投稿して促すことも可能です。

シナリオ③:1on1 ブリーフィング自動生成
「○○さんとの1on1 の準備をして」と依頼すると、担当商談の状況・タスク完了率・懸念案件を整理した面談メモを自動生成します。

Outlook 連携機能を使って「来週の空いている日程にこの資料といっしょに予定を入れておいて」というリクエストをすることもできます。
このようにAI といっしょにデータを蓄積するサイクルが回ると、より分析・活用のところにデータを繋げていくことが可能になります。
構成と仕組み
今回の構成も今までと同じです。Copilot Cowork とAI 向けデータコネクタ「CData Connect AI 」を組み合わせて実現します。
役割 | ツール |
|---|
AI アシスタント | Microsoft 365 Copilot Cowork |
データ接続レイヤー | CData Connect AI(MCP 経由) |
業務データ | kintone(商談管理・タスク管理・商談記録) |

分析系のシナリオでは kintone への書き込みは行わず、読み取りのみです。
準備としては大まかに以下の手順が必要です。
CData Connect AI のアカウント作成と kintone コネクションの設定
Copilot Cowork へのプラグイン登録
Copilot Cowork の画面でプラグインを有効化、Connect AI への接続を実施
設定手順の詳細は以前の記事「Copilot Cowork で kintone のデータを活用する方法:CData Connect AI × MCP プラグイン連携」をご覧ください。
ちなみに今回の記事のポイントはCData Connect AI が持つデータ仮想化機能です。CData Connect AI はkintone の全アプリを SQL テーブルとして扱えるため、複数アプリのデータを JOIN・集計することも可能です。
通常API をそのままアクセスするようなアプローチをAI にリクエストすると、トークンの肥大化で処理が失敗してしまうことがありますが、CData Connect AI はクラウド側で集計処理などをした結果だけを返す仕組みがあるため、AI は最小トークンでデータの分析・可視化を実現できます。
詳しい比較は「kintone 公式 MCP & CData Connect AI:コスト・正確性・使える場面を全部実測・比較してみよう!」の記事を参考にしてみてください。

シナリオ①:失注分析レポート
失注案件のデータから改善施策を導き出すシナリオです。
プロンプト例:
kintone の商談管理から失注した案件を取得して、
失注理由・業種・金額規模で分析して、
改善ポイントの提言つきでまとめて。
このプロンプトでCowork は商談管理アプリからフェーズ = 「失注」のレコードを全件取得し、失注理由・業種・受注予定金額のクロス集計を行います。

さらに業種毎の区分を行う場合のために顧客マスタとの結合も自動的に行なって、分析アプローチを検討してくれているのが印象的ですね。
最終的には以下のようなアーティファクトも生成してくれます。



「価格」による失注が多い場合は競合との差別化が課題、「タイミング」が多い場合はフォローアップのタイミング見直しが有効、といった形で具体的な改善提言まで出してくれます。
その内容を元に役員や上長向けのレポートとしてPPT にまとめてくれるところまでやってもらうのも良いですね。

過去にこのような分析を行うには、データをエクスポートして Excel で集計するか、BI ツールにつなぐ必要がありましたが、自然言語で問いかけるだけで結果が返ってきます。
また、BIツールでは難しかった、インサイトに基づいた仮説の構築、ネクストアクションまで検討してくれるのがポイントです。
シナリオ②:担当者別タスク状況確認
営業チーム全体のタスク状況をひとつのプロンプトで把握するシナリオです。
プロンプト例:
kintone のタスク管理から期限切れのタスクと今週期限のタスクを取得して、
担当者別にまとめて。優先度「高」のものを先に出して。

期限切れのタスクが特定の担当者に集中している、優先度「高」のタスクが手つかずになっている、といった状況をすぐに把握できます。週次ミーティングの前に状況を確認するのに便利です。

今回はタスクのみを対象としましたが、注力商談や優先顧客もコンテキストに加えて、本当に優先するべきものは何なのか? ということを整理してもらうのも良いです。
ちなみにタスクの管理や更新をCowork に依頼することも可能です。これによりそれぞれの画面を行ったり来たりせずに、タスクの対応に集中できますし、例えば「フォローアップメールの下書きを作成」→「送信したらタスクをクローズして」といった形で一連の業務のタスク管理をCowork にそのままお願いするということも実現できるでしょう。
また、誰かにタスクが集中している場合は、そのタスクの割り振りを提案して、更新してもらうことも可能です。

ちなみに、私は最近ウェビナー開催後のフォローアップをすべてタスクとしてSFAアプリに登録しておき、そこからフォローアップメールのドラフトと、タスクのクローズまでお願いしていたりします。
シナリオ③:1on1 ブリーフィング自動生成
営業マネージャーが1on1 前に担当者の状況を把握するためのシナリオです。
プロンプト例:
今日の sugimotok さんとの1on1 の準備をして。
kintone から sugimotok さんの担当商談一覧と
直近のタスク状況を取得して、
・確認すべき懸念案件(停滞・高確度)
・完了済みタスクと進行中タスクの状況
・話し合うべき課題
を整理した面談メモを作って。

Cowork は商談管理とタスク管理の2つのアプリを横断してデータを取得し、担当者に特化したブリーフィングメモを生成します。

「30日以上フェーズが変わっていない案件がある」「期限切れのタスクが2件ある」といった具体的な指摘も含まれるため、1on1 のアジェンダ作成に直接使えます。kintone を何画面も見て回る必要がなくなります。
また、この1on1 の結果をMS Teams から文字起こしの結果として受け取り、MTGの議事録メモとして起こすと、チェックするべきものがチェックできたのか? さらに注意しなければいけないものは何なのか? という振り返りにもうまく繋げることができます。
定期実行で自動化する
これらのシナリオは、Copilot Cowork のスケジュール実行機能を使って定期的に自動配信することもできます。
たとえば「毎週月曜 9:00 に失注件数・停滞案件数・未完了タスク数を Teams の営業チャネルに投稿する」という設定も可能です。
スケジュール設定用プロンプト例:
毎週月曜9時に営業チームの状況サマリを Teams の「営業チーム」チャネルに投稿して。
kintone から今週期限のタスク件数・停滞中の商談件数・今月クロージング予定の案件合計金額を取得して
まとめて投稿して。

まとめ
このように Copilot Cowork と CData Connect AI MCP を使うことで、kintone に蓄積された商談データを分析、さらにはネクストアクションにまで活かせるようになります。
なにかわからないことがあれば、お気軽にサポートやお問い合わせからどうぞ。
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