KiroでJD Edwards に連携するアプリを構築(Connect AI)

Somya Sharma
Somya Sharma
Technical Marketing Engineer
CData Connect AI のリモート MCP サーバーを活用して、データをレプリケーションすることなく、Kiro からセキュアにリアルタイムのJD Edwards のデータへアクセス・クエリ・操作できるようにします。

Kiro は、AWS が提供するエージェント型の AI IDE です。仕様(スペック)駆動でソフトウェア開発を進めるアプローチを採用しており、自然言語のプロンプトを詳細な仕様に落とし込み、そこから動作するコード、テスト、ドキュメントまでを生成します。デスクトップ IDE と CLI のいずれでも利用でき、すべてのプランでリモート MCP サーバーをネイティブにサポートしているため、エージェントは開発を進めながら企業システムからリアルタイムのコンテキストを取得できます。

MCP(Model Context Protocol)を介して Kiro を CData Connect AI と連携させると、Kiro のエージェントはあらゆるコーディングセッションの中で、リアルタイムのJD Edwards のデータに対するクエリ、分析、操作を直接実行できるようになります。認証、セキュリティ、クエリの最適化は Connect AI が引き受け、仕様の生成やコードの記述、タスクの実行は Kiro が担うため、開発者はインテリジェントなアプリケーションの構築に専念できます。

この記事では、Connect AI での JD Edwards 接続の設定、必要な認証情報の生成、Kiro への Connect AI MCP Server の登録、そしてコーディングセッション中にエージェントがリアルタイムのJD Edwards のデータを正しく扱えることを確認するまでの手順を説明します。

前提条件

ステップ 1:Kiro 用の JD Edwards 接続を設定

Kiro から JD Edwards への接続は、Connect AI のリモート MCP サーバーによって実現されます。Kiro のエージェントセッションからJD Edwards のデータを操作するには、まず Connect AI で JD Edwards 接続を作成・設定します。

  1. Connect AI にログインし、Sources をクリック、次に Add Connection をクリック Connect AI で接続を追加
  2. Add Connection パネルから JD Edwards を選択 データソースを選択
  3. JD Edwards に接続するために必要な認証プロパティを入力します。

    ドライバーは Application Interface Services(AIS)Server を経由して JD Edwards に接続します。以下の接続プロパティを設定します。

    • URL:AIS Server のベース HTTPS URL(例:https://jde-ais.example.com:8300)。
    • User:JD Edwards のユーザー名。
    • Password:JD Edwards のパスワード。
    • Environment(オプション):使用する JD Edwards の環境(例:本番環境なら PD920、開発環境なら DV920)。指定しない場合は、AIS Server のデフォルト環境が使用されます。
    • Role(オプション):セッションで使用する JD Edwards のロール。指定しない場合は、AIS Server のデフォルトロールが使用されます。
    • DeviceName(オプション):接続元のデバイスまたはアプリケーションの識別子。AIS Server での監査やログ記録に使用されます。
    • Jasserver(オプション):リクエストのルーティング先となる Java Application Server(JAS)インスタンス。クラスタ環境で便利です。

    公開するデータの選択

    JD Edwards ではテーブルとビジネスビューが System Code ごとに整理されており、ドライバーは各 System Code をそれぞれ個別のスキーマとして公開します。利用できるスキーマは、以下のプロパティで制御できます。

    • DataModel:System Code をスキーマとして公開する ERP モジュール(カンマ区切りで複数指定可)。接続先インスタンスのすべての System Code を公開する場合は All を指定します。デフォルトは FinancialManagement です。
    • SystemCodes:DataModel の System Code に加えて公開したい System Code のカンマ区切りリスト(例:42,43)。

    接続時、ドライバーは認証情報を AIS Server に送信してセッショントークンを取得し、キャッシュします。セッションの有効期限が切れる前に、新しいトークンが自動でリクエストされます。

    接続を設定(Salesforce の例)

    Save & Test をクリック

  4. Add JD Edwards Connection ページの Permissions タブに移動し、ユーザーベースの権限を更新 権限を更新

Personal Access Token を追加

Personal Access Token(PAT)は、Kiro から Connect AI への接続を認証するために使用されます。きめ細かいアクセス制御を維持するため、統合ごとに個別の PAT を作成することをお勧めします。

  1. Connect AI アプリの右上にある歯車アイコンをクリックして Settings を開く
  2. Settings ページで Access Tokens セクションに移動し、Create PAT をクリック
  3. PAT にわかりやすい名前(例:Kiro MCP)を付けて Create をクリック 新しい PAT を作成

JD Edwards 接続の設定と PAT の生成が完了したら、Kiro から Connect AI 経由でJD Edwards のデータに接続できます。


ステップ 2:Kiro に CData Connect AI MCP Server を登録

Kiro は、mcp.json という設定ファイルに登録された MCP サーバーを通じて外部のデータソースに接続します。このステップでは、そのファイルを開いて Connect AI のサーバー情報を追加し、接続を確認します。

  1. プロジェクトフォルダを開きます。Kiro のエージェント機能は、プロジェクトが開かれていないと有効になりません。Kiro を起動したら、Getting started 画面で Open a project をクリックします(左側の Explorer パネルにある Open Folder からでも構いません)。既存のフォルダでも新規に作成した空のフォルダでも問題ありません。開いた状態になっていることが重要です。 Kiro でプロジェクトフォルダを開く
  2. MCP 設定ファイルを開きます。Ctrl + Shift + P(Windows)または Cmd + Shift + P(Mac)を押してコマンドパレットを開きます。MCP と入力し、Kiro: Open user MCP config (JSON) を選択すると、Kiro に MCP サーバーを登録するための mcp.json ファイルが開きます。 Kiro のユーザー MCP 設定を開く
  3. Base64 の認証情報を生成します。Kiro は、メールアドレスと PAT を 1 つの Base64 文字列にまとめてエンコードしたもので Connect AI に認証します。ターミナルを開き、お使いの OS に合わせて以下のコマンドを実行してください。[email protected] は Connect AI のログインに使用するメールアドレスに、YourPAT はステップ 1 で作成した PAT に置き換えます。

    Windows(PowerShell)の場合

    [Convert]::ToBase64String([Text.Encoding]::UTF8.GetBytes("[email protected]:YourPAT"))

    Mac/Linux(ターミナル)の場合

    echo -n "[email protected]:YourPAT" | base64

    出力された文字列をコピーしておきます。次のステップで設定ファイルに貼り付けます。

  4. Connect AI サーバーを mcp.json に追加します。以下のブロックを mcp.json ファイルに貼り付け、your_base64_string を前のステップでコピーした文字列に置き換えてください。
    {
      "mcpServers": {
        "cdata-connect-ai": {
          "url": "https://mcp.cloud.cdata.com/mcp",
          "headers": {
            "Authorization": "Basic your_base64_string"
          }
        }
      }
    }    
    mcp.json で Connect AI MCP サーバーを設定
  5. ファイルを保存します。Ctrl + S(Windows)または Cmd + S(Mac)を押します。Kiro は mcp.json の変更を自動的に読み込むため、再起動は必要ありません。
  6. 接続を確認します。左側のサイドバーにあるゴーストアイコンをクリックして Kiro パネルを開きます。MCP SERVERS の下に cdata-connect-ai が緑色の接続済みインジケータとともに表示されていれば成功です。Kiro のチャットパネルで次のように入力して確認することもできます。
    Connect AI で利用可能な接続をすべて一覧表示して。

    レスポンスに JD Edwards 接続が表示されれば、MCP サーバーは正しく設定されています。これでリアルタイムデータへのクエリを始められます。

    Kiro で Connect AI MCP サーバーの接続を確認

ステップ 3:Kiro からリアルタイムの JD Edwards のデータ をクエリ

MCP サーバーの登録と動作確認が完了すると、Kiro のエージェントはどのセッションからでもリアルタイムのJD Edwards のデータに直接アクセスできます。Kiro のチャットパネルを開き、以下のプロンプトでデータを操作してみましょう。

この連携では、以下の Connect AI MCP ツールが順に呼び出されます。

MCP ツール 用途
getCatalogsConnect AI から利用可能な接続をすべて取得します
getSchemas選択した接続のデータベーススキーマを取得します
getTables選択したスキーマのすべてのテーブルとビューを取得します
queryData生成された SQL クエリを実行し、リアルタイムの結果を返します

Kiro のチャットパネルを開き、以下のようなプロンプトでJD Edwards のデータを操作してみてください。

  • 「JD Edwards 接続ではどのテーブルが利用できますか?」
  • 「JD Edwards のデータから売上高の大きい順に上位のレコードを表示して」
  • 「アクティブなJD Edwards のデータとその現在のステータスを一覧表示して」
  • 「今四半期のJD Edwards のデータのアクティビティを要約して」

Kiro は CData の接続をすべて自動的に検出し、最も関連性の高い接続を選択したうえでスキーマを把握し、適切な SQL クエリを生成・実行して、リアルタイムの結果をそのままチャットに返します。

Kiro と CData でリアルタイムにデータを活用するアプリケーションを構築

Kiro と CData Connect AI を組み合わせると、自然言語のプロンプトだけで企業システムのリアルタイムデータを操作できるようになります。ETL パイプラインもデータ同期ジョブも、独自の連携ロジックを組む必要もありません。運用の負担を抑えながらガバナンスを強化でき、AI エージェントからより速く、より根拠のある回答を得られます。

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