
こんにちは。CData Software Japan リードエンジニアの杉本です。
「HCL Domino に長年蓄積された業務データをAIで活用したい。でも、データをクラウドに持ち出したり、クラウドのAI からアクセスさせるのはセキュリティ上難しい……」という声をよくいただきます。
そんな方に朗報です。CData Connect AI の Connect Gateway が、ついに HCL Domino をサポートしました!
https://jp.cdata.com/blog/connect-ai-gateway

これにより、オンプレミスのHCL Domino・Notes サーバーのネットワークを一切変更せず、ファイアウォールを開けることもなく、Claude やChatGPT・M365 Copilot などのAI ツールからHCL Domino のデータに安全にアクセスできるようになります。
本記事では、この組み合わせで何ができるのか? アーキテクチャの仕組み、そして実際のセットアップ手順をご紹介します。
この記事でわかること
これで何ができるか?
百聞は一見にしかず、まず具体的なシナリオでイメージをつかんでみてください。
シナリオ①:外出先の営業担当者がスマホで見積を確認する
営業担当者が顧客先への移動中、スマホのClaude に話しかけます。
「〇〇工場向けに似たような製品、過去に提案したことある?見積もりも確認したい」
すると、HCL Domino に蓄積された見積DBを横断検索し、類似案件・金額・担当者が即座に要約されて返ってきます。
VPNへの接続も、ノートPCも不要です。 Dominoのデータは社内ネットワークの外に一切出ていません。
シナリオ②:倉庫担当者がハンズフリーでHCL Domino に在庫を登録する
倉庫内を動き回りながら、スマホに向かって話しかけます。
「品番A-123、棚卸し完了、実数30個、倉庫B-3に保管」
AIが内容を解釈し、HCL Domino のNSF データベースに在庫情報をリアルタイムで書き込みます。
キーボードもPCも不要で、現場作業を止めずにHCL Domino へ反映できます。 このようにConnect AI は読み取り(READ)だけでなく、書き込み(WRITE)にも対応しています。
アーキテクチャ:なぜこれが安全に実現できるか?
Connect Gateway の仕組み
Connect Gateway は、CData Connect AI に含まれるオンプレミス型のリバーストンネルエージェントです。社内ネットワーク内にDockerコンテナとしてエージェントを設置し、Connect AI クラウドとの間に暗号化されたトンネルを確立します。
https://docs.cloud.cdata.com/ja/Connect-Gateway

3つのセキュリティポイント
ポイント | 内容 |
|---|
アウトバウンドのみ | Gatewayは cloud.cdata.com へのアウトバウンドHTTPS接続のみを使用。インバウンドのファイアウォール解放は不要 |
Azure Relayによるトンネル | Microsoft Azure Relay テクノロジーを使用した暗号化トンネル。パブリックなエンドポイントは公開されない |
Raw Byte 転送 | GatewayはDomino REST API のプロトコルを解釈しない。データの中身を読み取ることなく、生のバイト列をそのまま転送 |
Connect Gatewayの仕組みについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
また、CDataはSOC 2 Type IIおよびISO/IEC 27001:2022の認証を取得しており、Connect AI もそのスコープに含まれています。エンタープライズ環境でも安心してご利用いただけます。
https://jp.cdata.com/security/

Domino IQ との違い・使い分け
HCL Domino のAI 活用といえば、HCL が提供する「Domino IQ」も注目されています。両者は競合するものではなく、アーキテクチャが異なるアプローチです。
| Domino IQ | CData Connect AI + Connect Gateway |
|---|
LLMの場所 | Domino サーバー内(オンプレLLM) | 外部AIサービス(Claude、GPT-4o等) |
データの場所 | Domino サーバー内 | Domino サーバー内(データは外に出ない) |
対応AIツール | Domino IQ 専用 | Claude、ChatGPT、Copilot 等、幅広く対応 |
主なユースケース | Domino 内でのAI 活用 | 外部AI からDomino データを参照・更新 |
「既存のClaude やCopilot からDomino データも参照したい」「スマホのAI アプリをそのまま使いたい」という場合はCData Connect AI + Connect Gateway が適しています。Domino IQ との組み合わせも検討できますので、それぞれのニーズに応じてご活用ください。
前提条件
本記事の手順を試すにあたって、以下の環境が必要です。
HCL Domino REST API(KEEP) が稼働していること
CData Connect AI のアカウント(トライアル含む)
Docker がインストールされたホストマシン(社内ネットワーク内)
ホストマシンから cloud.cdata.com へのアウトバウンド通信(HTTPS)が可能なこと
Domino REST APIの環境構築・スキーマ・スコープの設定については、以下の連載記事を参考にしてください。
Domino REST API のスキーマ構成について
ちなみに、Domino REST API とCData Connect AI を組み合わせて利用する上でポイントになる部分を一つ解説しておきます。
Domino REST API ではDatabase Formsと Database Views を定義することができ、それぞれデータの書き込みを行うことや、読み取り専用など役割が異なります。


CData Connect AI ではDomino REST API に接続する際に「Table Types」というプロパティで「Forms」または「Views」を選ぶようになっており、これにより上記のどの要素を利用するかが変わります。

前述したシナリオにあるような、在庫の更新を行いたい場合はForms をあらかじめ有効化しておきます。また、defaultフォームに利用したい項目をあらかじめ追加しておくことを忘れないようにしましょう。

またForms でデータの読み取りを実現するにはあらかじめ「dql」モードを追加して、そこに利用する項目を設定しておく必要があります。これも設定上忘れないように注意しておきましょう。

Database Views の場合は、そのまま利用したい対象のビューをアクティブにしておけばOK です。

セットアップ手順
それでは、CData Connect AI・Connect Gateway の手順を解説していきます。
Connect Gateway × HCL Domino の導入は、以下の4ステップで完了します。
Step 1:Connect AI でHCL Domino の接続およびGateway を登録する
まず、Connect AI の管理画面でHCL Domino の接続の登録を行います。
Connect AI にログインし、「Sources」メニューから「Add Connection」から「Domino」を選択します。


「Connect Gateway」タブを開き、「+Add」ボタンを押します。

Gateway を設置する場所を識別するための名前(例:「ServerRoom」「OsakaOffice」)を入力し、「Confirm」をクリックします。

登録が完了すると、Gateway一覧に「Pending」ステータスで表示されます。この画面で以下の3つの値をコピーしておいてください。次のステップで使用します。
環境変数名 | 説明 | 取得場所 |
|---|
ACCOUNT_ID
| 組織固有のアカウントID | Gateways一覧の「Account Id」 |
GATEWAY_LOCATION_ID
| このGatewayインスタンスの識別子 | Gateways一覧の「Location Id」 |
GATEWAY_API_KEY
| GatewayがConnect AIと認証するためのAPIキー | Gateways一覧の「Key」(目のアイコンで表示) |

Step 2:Dockerコンテナとしてインストールする
ホストマシン(社内ネットワーク内)で以下のコマンドを実行し、Gatewayコンテナを起動します。先ほどコピーした3つの値をそれぞれ置き換えてください。
docker-compose.yml
version: "3.8"
services:
domino-gateway:
image: connectaipublic.azurecr.io/connectgateway:latest
container_name: my-domino-gateway
restart: unless-stopped
environment:
GATEWAY_LOCATION_ID: gateway_location_id
GATEWAY_API_KEY: gateway_api_key
ACCOUNT_ID: account_id
# 起動
docker compose up -d
# ログ確認
docker compose logs -f
Step 3:Connect AI でHCL Domino 接続を追加する
DockerコンテナがPending→Success になったことを確認したら、Connect AIの「Add Connection」画面でHCL Domino の接続設定を行います。
「Connection Type」で「Connect Gateway」を選択し、ドロップダウンから登録したGatewayのロケーション名を選択します。

次に、HCL Domino REST APIの接続情報を入力します。
プロパティ | 値 | 備考 |
|---|
URL | http://:<ポート>ポート>
| デフォルトは8880番ポート |
Database Scope | 事前に作成したScope 名を入力 | |
Auth Scheme | OAuthPassword
| Domino REST API の設定に合わせる |
User | Domino へのログインユーザー名を入力 | |
Password | Domino へのログインユーザーパスワードを入力 | |
Table Types | Forms または Views を選択
| |

「Save & Test」をクリックして接続テストが成功すれば設定完了です。
Step 4:AI から動作確認する
接続設定が完了したら、Claude やMCP 対応のAI ツールからHCL Domino のデータにアクセスしてみましょう。
Claude やスマホのClaude appでCData Connect AIをMCPサーバーとして設定すると、HCL Domino のデータを自然言語で照会・更新できます。
Claude の設定は簡単で、コネクタのディレクトリから「CData Connect AI」を選択し

「連携させる」ボタンをクリック

CData Connect AI のログイン画面が立ち上がるので、ログインし接続を承認します。

これだけで準備完了です。
あとは、以下のようにHCL Domino のデータベースのデータをAIが参照・回答できていることが確認できれば成功です。


おわりに
このようにCData Connect AI と Connect Gateway を使うことで、オンプレミスのHCL Domino データをAIから安全に活用できるようになります。
「Dominoを変えない・データを出さない・でもAIが使える」——この3点がCData Connect AI + Connect Gatewayの最大の特長です。Dominoに長年蓄積された業務データを、今すぐAI活用に結びつけることができます。
🗓️ 6月17日開催:DominoHub 2026 にて登壇します
本記事のテーマをより深掘りしたセッション「HCL Dominoデータはオンプレのまま、AIはスマホで:Claude × CData Connect AI MCPで変わる現場AI活用」を、2026年6月17日(水)開催の DominoHub 2026(オンライン)にて発表予定です。
製造業・物流の現場DXユースケースをデモ動画を交えてご紹介します。ご興味のある方はぜひご参加ください!
https://www.dominohub.net