
こんにちは。CData Software Japan リードエンジニアの杉本です。
CData Connect AI で kintone に接続すると、AI は kintone のデータに直接アクセスできるようになります。
案件データを取得してダッシュボードを作ったり、議事録の作成・登録、活動履歴への登録をお願いしたりとその活用方法は幅広くあります。

とはいえkintone のそれぞれの機能において「AIに何ができるのか」「どこまで操作を任せられるのか」イメージが湧きにくい部分があるかなと思ったので、今日の記事では主なユースケース・機能カテゴリごとに整理して紹介してみたいと思います。
レコードデータの照会・操作
AI が最も頻繁に使う機能です。kintone の各アプリはリレーショナルテーブルとして扱われ、AI は SQL に相当するクエリでデータを取得・更新します。
AIへの指示例
kintone の案件管理アプリから今月クローズ予定の案件を取得して、
顧客名・金額・担当者・確度を一覧にしてください。
kintone の顧客管理アプリに以下の新規顧客を登録してください。
会社名:○○株式会社、担当者:山田太郎、電話番号:03-xxxx-xxxx

対応操作は SELECT / INSERT / UPDATE の4つです。アプリのフィールド定義が変わっても、コネクタは動的にアプリの構成・フィールドを再取得するため、kintone 側の設計変更に追従します。
また、kintone のテーブル型フィールド(1レコードに複数行を持つフィールド)はサブテーブルとしてモデル化されます。明細行・作業履歴のような複数レコードを持つデータも、AI がフラットに扱えます。
コメントの取得・投稿
kintone のレコードコメントも AI から操作できます。
AIへの指示例
案件ID 1234 の対応コメントをすべて取得して、
これまでの経緯をサマリーにしてください。
案件ID 1234 のレコードに「本日訪問済み。来週再提案予定。」とコメントを投稿してください。

コメントには作成者・作成日時・メンション情報も含まれるため、チームの対応履歴を AI に分析させることができます。「誰が・いつ・何を対応したか」を自然言語で引き出せます。
アプリ一覧・設定情報の参照
kintone 環境にどのようなアプリが存在するか、どのような設定になっているかを AI が把握できます。
AIへの指示例
kintone にあるアプリの一覧を取得して、
名前・作成日・説明を表形式にまとめてください。
「案件管理」アプリのフィールド構成を確認して、
このアプリにどんな情報が記録できるか説明してください。
アプリ一覧(Apps ビュー)・フォームのフィールド定義(FormFields)・レイアウト情報(FormLayout)などが参照できます。AI が kintone 環境の構造を「理解」した上で回答できるため、初めてのユーザーへのサポートや設計のレビューにも活用できます。


権限・通知設定の確認と変更
アプリ・フィールド・レコード単位のアクセス権限設定も AI 経由で確認・変更できます。
AIへの指示例
「案件管理」アプリのレコード権限を確認して、
閲覧できるユーザーとロールの一覧を出してください。
「日報」アプリの通知設定を確認して、
現在どのような条件で通知が送られているか教えてください。

内部的には以下のテーブルが使われます。
操作対象 | テーブル / ビュー |
|---|
アプリ単位の権限 | AppPermissions テーブル
|
フィールド単位の権限 | FieldPermissions テーブル、FieldPermissionsEntities ビュー
|
レコード単位の権限 | RecordPermissions テーブル、RecordPermissionsEntities ビュー
|
一般通知設定 | GeneralNotifications テーブル
|
レコード条件通知 | PerRecordNotifications テーブル、PerRecordNotificationsTargets ビュー
|
リマインダー通知 | ReminderNotifications テーブル、ReminderNotificationsTargets ビュー
|
プロセス管理(ワークフロー定義) | ProcessManagement テーブル、ProcessManagementActions ビュー
|
権限・通知の設定確認作業を AI に委ねることで、設定のレビューや監査をチャットベースで行えるようになります。
プロセスの操作
kintone のプロセス管理(承認フロー・ステータス遷移)を AI が操作できます。
AIへの指示例
案件ID 5678 の承認フローを「承認済み」に進めてください。
担当者を「田中花子」に変更してください。
「承認待ち」のままになっている申請を取得して、
申請日が3日以上前のものを一覧にして、担当者ごとに件数を集計してください。
UpdateStatus プロシージャでステータスを変更し、UpdateAssignees で担当者を更新します。外出先からスマホで承認フローを確認・操作する、といったシナリオにも対応できます。

ファイルのアップロード・ダウンロード
kintone の添付ファイルフィールドに対するファイル操作も可能です。
AIへの指示例
添付ファイルフィールドに保存されている契約書(ファイルキー: XXXX)を
ダウンロードして内容を確認してください。
作成した見積書ファイルを kintone の案件ID 9012 の添付フィールドにアップロードしてください。
UploadFile / DownloadFile プロシージャを通じて、AI がファイルを受け取ったり、生成したドキュメントを kintone に書き戻したりするワークフローを構成できます。

アプリの作成・デプロイ
AI が kintone アプリそのものを作成・デプロイすることも可能です。
AIへの指示例
営業日報を記録するための kintone アプリを作成してください。
フィールドは「日付」「担当者」「訪問先」「活動内容」「ネクストアクション」で。
CreateApp プロシージャでアプリを作成し、DeployApps で本番環境に展開、AppsDeployStatus でデプロイ状態を確認できます。繰り返し発生するアプリ作成作業の自動化や、テンプレートからの一括プロビジョニングに活用できます。
また、FormFields テーブルからフィールドの追加なども可能です。

スペース・ゲスト管理
kintone スペースのメンバー管理やゲストユーザーの追加・削除も AI 経由で操作できます。
AIへの指示例
プロジェクト X のスペースに参加しているメンバー一覧を取得してください。
外部パートナーの [email protected] を kintone のゲストとして追加して、
プロジェクト X のスペースに招待してください。

内部的には以下のテーブル・プロシージャが使われます。
操作内容 | テーブル / ストアドプロシージャ |
|---|
スペースのメンバー一覧を取得 | SpaceMembers テーブル
|
ゲストユーザーを環境に追加 | AddGuests プロシージャ
|
ゲストユーザーをスペースに割り当て | AddGuestsToSpace プロシージャ
|
ゲストユーザーを削除 | DeleteGuests プロシージャ
|
スレッドにコメントを投稿 | AddThreadComment プロシージャ
|
スレッドを更新 | UpdateThread プロシージャ
|
CData Connect AI レイヤーで広がる活用
さらにkintone コネクタの機能を土台として、CData Connect AI が提供するデータ加工・管理レイヤーを活用することで、さらに精度の高い AI 活用が実現できます。
認証設定
CData Connect AI からkintone への接続は、Password・Basic・API Token・OAuth それぞれの認証方式をサポートしているため、自社のセキュリティポリシーに合わせた柔軟な設定が可能です。

複数アプリの横断分析(JOIN)
kintone では本来アプリをまたいだ結合・集計(JOIN)はできません。CData Connect AI では複数アプリを結合したクエリを実行できます。
SELECT c.顧客ランク AS rank, YEAR(d.受注予定日) AS yy, MONTH(d.受注予定日) AS mm, COUNT(*) AS deals, SUM(d.[売上 (¥)]) AS sales FROM [Event_Demo_Kintone].[Kintone].[【展示会用】案件管理] d LEFT JOIN [Event_Demo_Kintone].[Kintone].[【展示会用】顧客管理] c ON d.[顧客No.] = c.RecordId GROUP BY c.顧客ランク, YEAR(d.受注予定日), MONTH(d.受注予定日) ORDER BY yy, mm, rank
AIへの指示例
kintone の顧客ランク別の案件売上動向を分析して

派生ビューの定義(Derrived View)
事前に集計処理を定義したビューを AI に渡すことで、AI が毎回集計クエリを書く必要がなくなり、応答精度・速度が向上します。

カスタムツール / MCP Toolkits
AI に渡すツールに意味のある名前と説明を与えることで、AI がより適切なタイミングで適切なデータを引き出せるようになります。kintone は導入している組織や部署毎でアプリの使い方や業務プロセスが異なるため、カスタムツールをあらかじめ定義しておくことで、AI が迷わずに業務を回せるようになります。
例:get_overdue_approvals(承認が遅延しているレコードを取得)というツールを定義しておくと、AI は「申請の状況を確認して」という曖昧な指示からでも、意図に合ったデータを取得できます。


ワークスペースとアクセス制御(Workspace / RBAC)
「特定のAI には特定のデータのみ公開する」という制御を Connect AI レイヤーで追加できます。たとえば「営業担当者は自分の担当レコードのみ参照可能」「バックオフィスは全社データを参照可能」といった行レベルのフィルタをビュー定義に組み込めます。kintone のアプリ権限とは独立した、AI アクセス専用のガバナンス層として機能します。


キャッシング
kintone のAPI は1日のリクエスト回数上限が決まっているため、多くのユーザーが大量のデータの集計などを適宜おこないたい場合、上限に引っかかってしまう恐れがあります。
Connect AI ではそういったデータアクセスリクエストが多いアプリのデータをあらかじめ外部のDB にキャッシュしておき、効率的にデータをレスポンスする機能を提供しています。

おわりに
CData Connect AI を通じて kintone に接続することで、AI は単なるデータの「読み取り」にとどまらず、レコードの作成・更新、ワークフローの操作、ファイルの取り扱い、アプリの管理まで幅広く担えるようになります!
ぜひトライアルでお試しください。
https://jp.cdata.com/connect-ai/