
こんにちは。CData Software Japan の色川です。
2026/05 にリリースされた CData Arc 2026.Q2(26.2)アップデート では、パブリックAPI エンドポイントへのOAuth 2.0 認証の追加やAI コネクタの正式リリース、バージョン管理機能の強化など、「エンタープライズシーンでのセキュリティと管理性」がさらに進化しています。
Arc の26.2 では他にもさまざま新機能や機能強化が含まれていますが、API コネクタでの「DB2 for IBM i サポ-ト」もその1つです。以前「DB2 for IBM i コネクタの記事」の中で、Arc の「API コネクタでのDB2 for IBM i 対応」については「今後のアップデートをご期待ください」とご紹介していましたが、今回のアップデートで待望の対応が実現しました。API コネクタがDB2 for IBM i をサポートしたことで、外部のクライアントアプリケーションから「Web API を介してDB2 for IBM i(AS/400)にアクセスする基盤」としても、CData Arc を活用いただけるようになっています。
この記事では、Arc 26.2 でAPI コネクタが対応した「DB2 for IBM i のWeb API 生成」についてご紹介します。
CData Arc
CData Arc は、CData 製品の中で「自動化/Automate」を担うデータ連携ツールです。「B2B 連携をもっとシンプルに」をコンセプトに、ファイル連携 & DB 連携 & API 連携といったB2B 連携に必要なすべてをノーコード・ローコードでつなぐことができるプラットフォームです。

DB2 for IBM i(AS/400)とArc の連携
DB2 for IBM i は、IBM i(旧AS/400)システムに統合された高性能なリレーショナルデータベースで、企業の基幹業務を支えるプラットフォームとして、現在も根強い支持を得ています。DB2 for IBM i(AS/400)の位置づけや市場動向については「こちらの記事」で詳しくご紹介しています。あわせてごらんください。
Arc でもDB2 for IBM i(AS/400)連携シナリオの人気は高く、従来から次のような連携を構成いただくことができます。
連携手段 | 実現できるシナリオ |
DB2 for IBM i コネクタ | 「Select アクション」による条件に一致するデータの取得、「Upsert アクション」によるデータの登録・更新など、DB2 for IBM i とのデータベース連携 |
FTP / SFTP コネクタ | IBM i との間のファイルベース連携(ファイルの送信・受信) |
これらの連携を活用して、kintone やSalesforce などのSaaS とDB2 for IBM i をつなぐシナリオや、IBM i と取引先の間のファイル連携を自動化するシナリオなど、多くのお客さまにご利用いただいています。
ただ、これらの連携は「Arc がクライアント側(リクエストする側)」として、DB2 for IBM i (IBM i)とつながる連携が中心です。今回のアップデートでは、これに加えて「Arc がサーバー側(リクエストを受け付ける側)」として、DB2 for IBM i へのアクセスを提供できるようになりました。
API コネクタのDB2 for IBM i 対応
CData Arc の「API コネクタ」は、指定したデータベースのテーブルやビュー、ストアドプロシージャなどのオブジェクトをWeb API として公開することができるコネクタです。CData 製品群をご存じの方は「CData API Server のサブセット」と考えて頂くとイメージしやすいかも知れません。API コネクタの基本的な使い方は「こちらの記事」で詳しくご紹介しています。
今回のArc 26.2 アップデートで、このAPI コネクタが接続できるデータソースに「DB2 for IBM i」が加わりました。
API コネクタはOpenAPI 標準(Swagger)に準拠したAPI を生成しますので、生成したAPI エンドポイントには様々なツールやテクノロジから簡単にアクセスすることができます。社内のWeb アプリケーションやモバイルアプリからの基幹データの参照・更新、Salesforce Connect の外部オブジェクトとしての構成など、「外部のクライアントアプリケーションからWeb API を介してDB2 for IBM i にアクセスする基盤」として、CData Arc を活用いただけます。

IBM i の中に閉じたデータを活用したいというニーズは、モダナイゼーションの文脈でご相談をいただく場面も増えてきました。もちろん、個別の連携フローを作成してSaaS やファイルへ連携する形でも実現できますが、「クライアントアプリケーション側の開発者がほしいタイミングでほしいデータを取得する」ような用途では、Web API として公開するアプローチがフィットします。
この記事のシナリオ
この記事では「API コネクタでDB2 for IBM i のテーブルをWeb API として公開して、API クライアントからアクセスする」シナリオを構成してみます。この記事では、DB2 for IBM i 上の顧客マスタのテーブルを対象にしました。

この画面のデータを、API コネクタで生成したWeb API を通じて、外部のクライアントアプリケーションから取得できるようにしていきます。

API コネクタの設定
Arc のフローデザイナーで、右上の「+追加」からコネクタの追加パネルを開き、「API」コネクタを選択して配置します。

配置すると、コネクタId に沿った「API エンドポイント」と「API ドキュメント」のURL が自動的に生成されます。

API コネクタで公開する(API 生成する)データソースを「接続」で指定します。今回のアップデートで、接続の種類に「DB2 AS400(DB2 for IBM i)」を選択できるようになっています。接続先のDB2 for IBM i への接続情報を設定して「保存およびテスト」を実行し、「接続を更新しました」となればデータソースへの接続は成功です。


なお、DB2 for IBM i はライブラリを単位とした名前空間の構造を持つため、API コネクタが参照するスキーマ(ライブラリ)は、コネクタの設定ファイル(port.cfg)で指定しておく必要があります。port.cfg に availableschemas = <接続するスキーマ名>接続するスキーマ名> を設定してください。
次に「テーブル」で「API で公開するオブジェクト」を指定します。「テーブルを追加」で、先ほどの顧客マスタのテーブルを選択します。テーブルごとに許可するオペレーション(GET / POST / PUT / DELETE など)もここで構成できます。


次に「ユーザー」で「API エンドポイントへの権限(認証)」を構成します。「ユーザーを追加」で、API エンドポイントへのアクセスを許可するユーザーと、許可するオペレーションを構成します。ここで発行される「Authtoken(認証トークン)」はクライアントからのリクエストで利用しますので、控えておいてください。なお、Arc 26.2 ではパブリックAPI エンドポイントへの認証方法としてOAuth 2.0(クライアントクレデンシャルフロー)も追加されていますので、組織のセキュリティ要件にあわせて選択いただけます。


最後に「サーバー」で、API エンドポイントへのアクセスを許可する「信頼されたIP アドレス」を指定します。実際の利用シーンでは、アクセス元となるクライアントのIP レンジを指定するのが良いでしょう。

これで、API コネクタの設定は完了です。
生成したWeb API へのアクセス
作成したAPI エンドポイントへ、API クライアントからアクセスして確認してみましょう。Authtoken を指定してAPI エンドポイントにリクエストすると、公開したリソースの一覧が取得できます。

続けてテーブルのリソースにアクセスすると、先ほど5250 エミュレーターの画面で見ていた顧客マスタのデータが、JSON で取得できることが確認できます。

期待通りに、API コネクタで生成したWeb API を通じて、外部のクライアントからDB2 for IBM i のデータにアクセスできることが確認できました。
その他
この記事でご紹介した「API コネクタ」も含めて、CData Arc ではDB2 for IBM i(AS/400)との連携を次の4つのパターンで構成することができます。
# | 連携パターン(シナリオ) | 活用する機能 |
1 | DB2 for IBM i へのDB 連携(Select / Upsert) | DB2 for IBM i コネクタ |
2 | IBM i とのファイルベース連携 | FTP / SFTP コネクタ |
3 | DB2 for IBM i のデータアクセスAPI の公開 | API コネクタ(26.2 -) |
4 | ビジネスロジックを含むAPI の公開 | フローAPI |

「フローAPI」は「Arc で作成したデータ連携フローをAPI エンドポイントとして公開」できる機構で、フローAPI の中でも「DB2 for IBM i コネクタ」を利用できます。テーブルやビューに対するシンプルなデータアクセスのAPI 化には「API コネクタ」が、ビジネスロジックを含む連携処理のAPI 化には「フローAPI」がフィットします。どのようなアプローチがよりフィットするかは、それぞれのシナリオにあわせて選択してください。
「Arc がクライアント側になる」DB 連携・ファイル連携から、「Arc がサーバー側になる」API の公開まで、これだけ幅広い連携パターンを1つの製品でカバーできるデータ連携製品は、あまり多くないかも知れません。
また、DB2 for IBM i 以外のより多くのデータソースをWeb API として公開したい場合には、CData API Server をご利用ください。
まとめ
この記事では、Arc 26.2 でAPI コネクタが対応した「DB2 for IBM i のWeb API 生成」についてご紹介しました。
今回のアップデートで「Arc がサーバー側になる」Web API 基盤としての活用が加わり、DB2 for IBM i(AS/400)との連携は、この記事でご紹介した「4つのパターン」で構成できるようになりました。IBM i の基幹データを外部のアプリケーションから活用したいと考えている方には、待望のアップデートと言えるかも知れません。
CData Arc 26.2 では、他にも多くの機能強化・機能改善が施されています。詳しく知りたい方はリリースノートをあわせてごらんください。数多くのアップデートで、より使いやすくなったCData Arc をぜひ試してみてください。
今回リリースされた新たなバージョンに限らず、現在ご利用のバージョンについても、設定や利用方法などご不明な点があれば、お気軽にテクニカルサポートまでお問い合わせください。
この記事では CData Arc™ 2026 - 26.2.9686.0 を利用しています