
こんにちは。CData Software Japan の色川です。
2026/05 に、CData Arc の2026.Q2 アップデートとして新たなビルド(26.2)の提供を開始しました。リリースの概要は「こちらの記事」でお知らせしていますが、リリースからしばらく経った今も、26.2 の新機能に関する関心やご相談を良く頂きます。
2026/01 にリリースしたCData Arc 2026(26.1)は、AI コネクタやGit バージョン管理、CData ドライバー管理機能など、多くの新機能が登場したメジャーアップデートでした(26.1 の主な新機能は「こちらの記事」でご紹介しています)。そこから更に強化・改善を加えた 26.2 は、26.1 で登場した機能群を「本番適用のステージ」へと押し上げるリリースとも言えます。AI コネクタの正式リリース(GA)を筆頭に、パブリックAPI エンドポイントのOAuth 2.0 サポートやバージョン管理機能の強化など、「エンタープライズシーンでの本番適用」を後押しするアップデートが中心になっています。
夏を迎え、まもなく次のアップデートである26.3 のリリースも予定されていますが、この記事では、2026/05 にリリースされたCData Arc 2026.Q2(26.2)アップデートの主な新機能について、あらためて少し詳しくご紹介します。26.2 の数多くのアップデートの中から、以下のポイントを取り上げています。
・AI コネクタの正式リリース(GA)
・パブリックAPI エンドポイントのOAuth 2.0 サポート
・フローAPI・管理API の強化
・バージョン管理機能の強化
・刷新されたコネクタ(REST・Email Send / Receive)と移行機能
・日々の運用を支える新機能
・全面的に刷新されたコネクタUI
AI コネクタの正式リリース(GA)
26.1 で搭載された「AI コネクタ」は、データ連携フローの中でAI モデルによる推論や判断を組み込むことができる、Arc のAI 連携の中核となるコネクタです。搭載当初はベータ版としての提供でしたが、今回の26.2 でベータ版を卒業し、正式リリース(GA)となりました。他のコネクタと同等の信頼性基準のもとで、本番ワークロードでご利用いただけます。
AI コネクタは、従来の自動化の枠を超え、AI の知能を連携フローに組み込むことができる待望の新機能です。すでに多くのお客さまから関心をいただいていますが「本番環境レベルのサポートが提供されてからAI 活用を進めたい」と考えていた方も多いかと思います。26.2 で正式リリース(GA)されたことで、まさに本番適用を考えていただけるリリースになっています。なお、すでにベータ版でAI コネクタを利用されていた方にとっては、設定や動作に変更はありません。
あわせて、LLM プロバイダーにAnthropic Claude とxAI Grok が新たに追加されました。26.1 までにサポートされていたOpenAI、Gemini、Ollama、DeepSeek などとあわせて、選択肢がさらに拡充されています。データプライバシーの観点からローカルホストのモデルを優先する場合も、スケールを重視してマネージドなクラウドプロバイダーを利用する場合も、ワークロードに最適なモデルをArc のコネクタUI から直接設定して利用いただけます。

Arc の「AI コネクタ」の具体的な使い方や動作イメージは「こちらの記事」で詳しくご紹介しています。あわせてごらんください。
パブリックAPI エンドポイントのOAuth 2.0 サポート
社内のシステムやAPI の認証方式を「OAuth 2.0 に統一したい」というお話を伺う機会も増えてきました。Arc にはArc 自身を制御できる「管理API」や、Arc で作成したフローをAPI エンドポイントにできる「フローAPI」など、豊富なAPI エンドポイント機能が備わっています。これまで、Arc のパブリックエンドポイントの認証(保護)には、Arc が発行する独自のトークン(ユーザー生成トークン)を利用する方式を採用していました。シンプルで手軽な方式ですが、組織全体で認証方式を標準化したい(OAuth 2.0 に統一したい)場面では「Arc のAPI だけが例外」になってしまうという課題もありました。
26.2 では、管理API・フローAPI・Webhook コネクタ・API コネクタを含むパブリックエンドポイントに対して、OAuth 2.0(クライアントクレデンシャルフロー)認証がサポートされました。クライアントクレデンシャルはエクスポート/インポートが可能で、既存のIP 制限はOAuth のトークンリクエストとリソースアクセスにも等しく適用されます。

標準化された認証ポリシーでIT を運用している組織や、大規模なArc デプロイを管理している組織にとって、「組織全体で統一された認証ガバナンス」の中にArc のAPI を組み込めることは、大きな価値のあるアップデートかと思います。
フローAPI・管理API の強化
Arc の「フローAPI」は、Arc で作成した連携フローをAPI エンドポイントとして公開できる機能です。26.2 では、このフローAPI と管理API に複数の強化が施され、Arc をAPI レイヤーから活用するシナリオがより柔軟に構成いただけるようになっています。
26.2 では、フローAPI において、最初のステップとして「Receive のトリガー」がサポートされたほか、受信したHTTP ヘッダーの値をメッセージのメタデータとして利用できるようになりました。従来、呼び出し時のパラメータはクエリ文字列で渡す方法が基本でしたが、クエリ文字列はサーバーログに記録されるため、ログデータが保存ポリシーやセキュリティレビュー、コンプライアンス監査の対象となる環境では「機密値をログから除外したい」という要件と相性の良くない面がありました。HTTP ヘッダー経由でメタデータを渡せるようになったことで、そのような要件にもシンプルに対応できます。
またAPI-Response-StatusCode およAPI-Response-Header-{HeaderName} メッセージヘッダーにより、フローAPI のレスポンスとして返すHTTP ステータスコードやレスポンスヘッダーを、フローの中から制御できるようになりました。呼び出し元のアプリケーションに合わせたAPI 設計がしやすくなる機能強化です。
管理API には「フローAPI リソース」が追加され、ワークスペース内のフローAPI をプログラムから一覧・取得できるようになりました。CI/CD パイプラインを通じてArc を管理している組織や、Arc のAPI レイヤー上に運用ツールを構築している組織で活用いただけるアップデートになっています。

バージョン管理機能の強化
26.1 で搭載された「Git バージョン管理」機能は、Arc の設定変更を追跡し、環境間で設定を安全に管理できる機能として、エンタープライズシーンで特にご関心をいただくことの多い機能です(機能の概要は「こちらの記事」で詳しくご紹介しています)。26.2 では、この機能が「日々の細かな設定管理にも頼れるツール」へと進化しています。
まず、認証方式が拡充されました。26.1 ではHTTPS のみのサポートでしたが、26.2 からはOAuth とSSH による接続をUI から直接確立できるようになっています。あわせてArc 独自のCredential Manager が搭載されたことで、従来必要だったGit Credential Manager のインストールや複雑な設定(特にLinux 環境において)が不要になりました。
運用面で特に大きいのが、コミット履歴からの「個別ファイルの復元」です。従来、不適切な設定変更から復旧するには、手動で変更を元に戻すか、アプリケーションの外で完全なリバートを実施する必要がありました。複雑なマルチコネクタのワークフローを管理している環境では、完全なリバートは実際の運用リスクを伴います。26.2 では、他の部分には一切手を加えることなく、単一のファイルだけをピンポイントで復元できるようになりました。

そのほかGUI 操作も拡充されています。リモートに変更があるときはコミット履歴に「プル」ボタン付きのバナーが表示されるようになったほか、画面からローカルブランチを削除できるようになりました。また「プル」や「変更を破棄」といったバージョン管理操作が監査ログに記録されるようになり、誰が・何を・いつ変更したかを追跡できるようになりました。変更管理要件や内部監査プロセスの対象となるチームにとって、嬉しい強化と言えるでしょう。
26.2 でのGit バージョン管理機能の強化ポイントは「こちらの記事」で詳しくご紹介しています。あわせてごらんください。
刷新されたコネクタ(REST・Email Send / Receive)と移行機能
26.2 では、REST コネクタとEmail Send / Receive コネクタに新しいバージョンのコネクタが追加されました。UI が刷新されたことに加えて、認証情報を「共有接続」として扱えるようになったことが大きなポイントです。
共有接続では、一度作成した接続設定(OAuth 認証情報など)を複数のコネクタから参照できます。複数のエンドポイントで同一の認証設定を利用する場合の冗長な設定作業が軽減されるだけでなく、トークンのローテーションが必要になった場合も、依存するすべてのコネクタを個別に更新する代わりに、接続設定を一度更新するだけで済むようになります。認証情報のガバナンスをシンプルに保てる、運用面で価値のある強化です。
また、Email Send コネクタでは新たにSendGrid がサポートされました。通知メールや帳票の送付など、連携フローの終端でメールを利用するシナリオはわりと良くあるケースかと思います。メール配信基盤の選択肢がさらに広がるアップデートです。

あわせて26.2 では、従来のCData コネクタ・REST コネクタ・Email Send / Receive コネクタが非推奨となり、新しいコネクタへの「アップグレード(移行)機能」が搭載されました。CData コネクタについては、26.1 の「CData ドライバー管理機能」とあわせて追加された、個別のアプリケーションコネクタ(CData HubSpot コネクタなど)への移行が推奨されています。
なお、非推奨となったコネクタもフローが動作しなくなるわけではありません。また、CData コネクタから個別のアプリケーションコネクタへの移行には、通常新たなライセンスキーが必要になります。CData コネクタをご利用中で26.2 へのバージョンアップを予定されている方は、一度テクニカルサポートまでお問い合わせください。
移行機能の具体的な手順は「こちらの記事」で詳しくご紹介しています。あわせてごらんください。
日々の運用を支える新機能
さまざまなデータ連携フローを「作って運用する」タイプの製品であるCData Arc にとって、管理・運用のしやすさは常に大切にしているテーマです。26.2 でも、日常の運用に効く新機能が複数搭載されています。
Discard コネクタ
フローの中で不要になったメッセージを破棄するための専用コネクタとして「Discard コネクタ」が追加されました。分岐のあるフローで「この経路に流れてきたメッセージは処理不要」というケースはわりと良くあると思います。従来は空のScript コネクタで代用する構成も見られましたが、専用のコネクタを配置することで「ここでメッセージを意図的に破棄している」ことがフロー上で明確になります。フローの可読性・保守性が向上し、担当者が変わった際の引き継ぎもスムーズになる、嬉しい新機能です。

Schedule コネクタのレート制限
Schedule コネクタで、時間枠あたりの最大ファイル数を制御できる「スライディングウィンドウ方式のレート制限」がサポートされました。例えば、連携先のインタフェース仕様においてレート制限がある場合、従来はフローの中で独自のスロットリングロジックを組んだり、スケジュールに意図的な遅延を仕込んだりといった工夫が必要な場面もありましたが、26.2 からは「制限を設定するだけ」でArc がメッセージ(通過できる処理対象ファイル)の流量の制御を自動的に行います。連携先インタフェースにあわせたレート制限への対応が「設定で制御」できるようになるアップデートです。

トランザクションのTracked Header 検索
各コネクタの「トランザクション」タブでは、Tracked Header の値による絞り込みができるようになりました。トランザクション数が膨大な環境でも、注文番号や伝票番号といった業務キーで特定のトランザクションを素早く見つけることができます。日々の調査・トラブルシューティングの時間を短縮できる強化です。あわせて、トランザクションUI には「すべてのトランザクションを削除」アクションが復活し、一括での素早いクリーンアップも可能になりました。

SFTP / FTP コネクタの最大ファイルサイズ設定
SFTP およびFTP コネクタでは、ダウンロード対象の「最大ファイルサイズ」設定が追加されました。不完全な転送や空のペイロードのような有効でないファイル、あるいは連携先(下流)のシステムに支障をきたすほど大きなファイルを、問題が波及する前にコネクタレベルでフィルタリングすることができます。ファイル転送の「入口」で想定外のデータを除外できる、運用の安心感につながる新機能です。
データベースコネクタのコネクションプーリング設定
SQL Server・PostgreSQL・MySQL の各コネクタでは、コネクションプーリングに関する設定が公開されました。連携フローの多重度が上がってくると「データベースへの接続数を制御したい」というご相談は良く頂きます。接続まわりの挙動をコネクタレベルでチューニングできる、本番運用に嬉しい強化です。
全面的に刷新されたコネクタUI
これまで段階的に進められてきたUI の再設計が、今回の26.2 で完了しました。コネクタUI を含むアプリケーション内のすべてのページが、統一された新しいデザインになっています。
UI の一貫性により、新しくArc を使い始めていただく際のオンボーディングや、複数の担当者でArc を管理・運用している組織において、習熟の負荷軽減が期待できます。設定やトラブルシューティング、フローの引き継ぎにかかる時間の短縮という形で、チームが拡大しフローが増えるほど効果が積み重なっていくアップデートです。

その他
Arc を含め、CData 製品ではビルドアップデートが継続的に提供されています。Arc 26.2 も最初のリリース以降に数度のビルドアップデートをお届けしており、幾つかの機能改善・強化も含まれています。その中から1つ、API コネクタの「DB2 for IBM i(AS/400)」サポートをご紹介します。26.2 の初回リリースには含まれていませんが、その後の26.2 アップデートで追加された機能です。
API コネクタは、指定したデータベースのテーブルやビューなどをWeb API として公開できるコネクタです。今回の対応により、外部のクライアントアプリケーションから「Web API を介してDB2 for IBM i(AS/400)にアクセスする基盤」としてもArc を活用いただけるようになりました。IBM i をご利用のお客さまには待望のアップデートではないでしょうか。詳しくは「こちらの記事」でご紹介しています。あわせてごらんください。

まとめ
この記事では、リリースから約3ヶ月経過した「CData Arc 2026.Q2(26.2)アップデートの主な新機能」について、あらためてご紹介しました。
AI コネクタの正式リリース(GA)やバージョン管理機能の強化、OAuth 2.0 サポートなど、26.1 で登場した機能群が26.2 で「本番適用のステージ」へと進化していることをイメージいただけたかと思います。すでに26.1 をご利用いただいている方はもちろん、これからバージョンアップを検討される方にも価値のあるアップデートです。ぜひお試しください。まもなくリリースが予定されている次のアップデート(26.3)にも、ご期待ください。
CData Arc 2026.Q2(26.2)では、他にも多くの機能強化・機能改善が施されています。詳しく知りたい方は「リリースノート」をあわせてごらんください。
新しいバージョンに限らず、現在ご利用のバージョンについても、設定や利用方法などご不明な点があれば、お気軽にテクニカルサポートまでお問い合わせください。
この記事では CData Arc™ 2026 - 26.2.9686.0 を利用しています