
こんにちは。CData Software Japan リードエンジニアの杉本です。
kintone で営業向けのSFAや販売管理システムを構築していても、「あの請求、もう入金されましたっけ?」と経理に聞きに行ったことはありませんか。
入金消込は経理の仕事です。でも、入金されるまで責任を持ってフォローするのは営業です。請求書を送ったあとも、未入金状況をしっかりと把握し、必要に応じて顧客へのフォローを行う必要があります。
それなのに、請求以降の進捗が見えにくい環境では、入金確認のたびに経理へ口頭確認が発生し、気づいたときには支払期日をがっつり過ぎていた、というケースも珍しくありません。
今回は本シリーズ最終回として、Microsoft 365 Copilot Cowork と CData Connect AI を使って、kintone の請求管理アプリを活用した請求・入金管理の自動化シナリオを紹介したいと思います。
こんなことができるようになります
シナリオ①:請求書の送付メール下書き生成 → 送付ステータス更新
「○○社に請求書を送付して」と依頼するだけで、kintone から請求書データを取得し、顧客宛の送付メール下書きを Outlook に作成します。確認後、kintone の入金ステータスを「承認済み」→「未入金」に更新します。

シナリオ②:未入金アラートの自動確認 + 催促メール下書き生成
「期日超過の未入金請求を担当者別にまとめて」という依頼で、フォローが必要な案件を優先度順に一覧化します。さらに Outlook と連動して、催促メールのドラフトも行います。

シナリオ③:請求状況サマリーを一瞬で確認
「今の請求状況を確認して」と聞くだけで、承認待ち・承認済み・未入金・入金済みの請求書を状況別に整理して表示します。支払期日が近い請求書は自動で目立たせてくれます。

構成と仕組み
今回の構成も今までと同じです。Copilot Cowork とAI 向けデータコネクタ「CData Connect AI 」を組み合わせて実現します。
役割 | ツール |
|---|
AI アシスタント | Microsoft 365 Copilot Cowork |
データ接続・書き込みレイヤー | CData Connect AI(MCP 経由) |
業務データ | kintone(商品マスタ・在庫管理・見積管理など) |

CData Connect AI は kintone への書き込みにも対応しているので、請求書の送付の後にフラグを更新するといった、一連のフローをCopilot Cowork から実施できるようになります
ちなみにここでのやり取りにはMCP(AIエージェントが外部データに接続するための標準プロトコル)が利用されています。
準備としては大まかに以下の手順が必要です。
設定手順の詳細は以前の記事「Copilot Cowork で kintone のデータを活用する方法:CData Connect AI × MCP プラグイン連携」をご覧ください。
ちなみに書き込み機能を使う場合は、あらかじめCData Connect AI の権限を調整しておきましょう。合わせてkintone から請求書のPDFや画像などをダウンロードして添付したい、という場合はExecute の権限も必要になります。

Copilot Cowork には「承認ダイアログ」機能があり、外部システムへの書き込み前にユーザーが内容を確認・承認する仕組みが組み込まれています。この承認ダイアログが「誤入力・誤送信の防止」として機能するのがポイントです。
それでは実際の手順・プロンプトを見てみましょう。
シナリオ①:請求書の送付メール下書き生成 → 送付ステータス更新
内部承認が完了した請求書(承認済みステータス)を顧客にメールで送付するシナリオです。メール下書き生成から kintone のステータス更新まで一気に完了します。
プロンプト例:
kintone の請求管理「INV-2026-0007」(北陸薬品工業株式会社)の
請求書を顧客に送付したい。
・kintone から請求金額・支払期限などの内容を取得して
・顧客担当者宛の送付メール下書きを Outlook に作成して
・作成したメールにkintone の請求書レコードにあるファイルをダウンロードして添付して
・確認後、kintone の入金ステータスを「未入金」に更新して
以下のような請求管理アプリを想定しています。

Cowork は kintone の請求管理から請求金額・支払期限・顧客情報を取得し、定型の送付文面に自動で差し込んで Outlook の下書きを作成します。

kintone に請求書 PDF がファイル添付として保存されている場合は、そのままメールに添付することも可能です。

メール送付を確認したら、「kintone を更新して」と続けて指示するだけで、入金ステータスが「承認済み」→「未入金」に更新されます。これにより、シナリオ②の未入金アラート追跡の対象として自動的にカウントされるようになります。

シナリオ②:未入金アラートの確認 + 催促メールの自動ドラフト
期日超過の未入金請求書を洗い出し、そのまま催促メールのドラフトまで生成するシナリオです。営業担当者だけでなく、管理部門でも活用できます。
Step 1:未入金一覧の取得
プロンプト例:
kintone の請求管理から支払期日を過ぎて
入金ステータスが「未入金」の請求書を取得して、
担当者別に件数・合計金額をまとめて。
期日超過が最も長い請求書から順に並べて。


Step 2:催促メールのドラフト生成
未入金一覧が出たら、続けて催促メールのドラフトを依頼します。
プロンプト例:
上記の未入金一覧をもとに、各顧客への催促メールのドラフトを作って。
・件名は「【ご請求のご確認】〇〇 様」の形式
・超過日数30日未満:支払確認のお願い(丁寧なトーン)
・超過日数30日以上:早急な対応依頼(やや強めのトーン)
・本文末尾に振込先情報のプレースホルダーを入れて

Cowork は取得した超過日数をもとに文面のトーンを自動で使い分けます。「確認のお願い」から「早急な対応依頼」まで、件数が多くても一括でドラフトを生成できるため、手動で1件ずつ文面を考える作業がなくなります。
Cowork はOutlook と連携しているので「ドラフトを Outlook の下書きに保存して」と続けて指示することで、そのまま送信直前の状態まで準備を整えることも可能です。

スケジュール実行で定期通知
このシナリオを Copilot Cowork のスケジュール実行で毎週月曜朝に自動配信する設定にしておくと、「未入金フォロー漏れ」を防ぐことができます。
スケジュール設定用プロンプト例:
毎週月曜8:30に kintone の請求管理から期日超過の未入金請求書を取得して、
担当者別にまとめて「営業チーム」Teams チャネルに投稿して。
シナリオ③:請求状況サマリーの確認
月初や月末に全体感を把握するためのシナリオです。
プロンプト例:
kintone の請求管理から現在の請求状況を確認して。
・承認待ちの請求
・承認済みの請求
・送付済みで未入金の請求(支払期日と残り日数も)
・入金済みの請求
を分けてまとめて。支払期日が1週間以内のものは目立つようにして。
Cowork は請求管理アプリの全件を取得し、ステータス別に分類します。支払期日が近い請求書は「⚠️ 期日まで○日」といった形で表示されるため、優先してフォローすべき案件を一目で判断できます。


さらに、「MS Teams に投稿して」と依頼することで、セールチームのメンバーに状況共有を自然と促すことも可能です。

まとめ・シリーズを通じて実現できること
いかがだったでしょうか?
本シリーズ5本を通じて、Copilot Cowork × CData Connect AI × kintone の組み合わせで、営業サイクル全体を自然言語で操作できることを紹介しました。
実際の業務アプリ、業務データと繋がることで、生成AI はより活用できるというイメージを持ってもらえたのではないでしょうか。
フェーズ | できること |
|---|
商談前 | 顧客情報・過去商談の一括取得、パイプライン確認 |
商談中 | 議事録のkintone登録、タスク自動登録、フォローメール生成 |
商談後 | 失注分析、担当者別タスク確認、1on1ブリーフィング |
見積・受注 | 承認ステータス確認、顧客送付準備、在庫照合 |
請求・入金 | 未入金アラート、催促メールドラフト生成、請求書送付メール生成・ステータス更新 |
kintone のデータをAIが読み書きできるようになると、「kintone を見て→別ツールに切り替えて→手動で転記する」という行き来がなくなります。自然言語での指示だけで業務が進むため、作業時間の削減だけでなく、入力ミスや確認漏れも大幅に減らすことができます。
さらには、商談データがより蓄積しやすくなることで、データの活用サイクルにも自然と繋がるようになります。
ぜひ皆さんの業務でもこの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
CData Connect AI の詳細や無料トライアルについては、以下からご確認ください。
https://jp.cdata.com/contact/