CData Arc Q3 2026 リリースは、セキュリティ要件が厳格で、設定変更が実際の運用リスクを伴い、迅速な問題診断が求められる環境でのデータ連携を支える機能を強化しました。
本リリースでは、すべてのメッセージデータを対象としたアプリケーションレベルの保存時の暗号化、AI クライアントを稼働中のArc インスタンスに直接接続する組み込みのMCP サーバー、ローカルリポジトリ対応を含むバージョン管理機能の大幅な強化、ガイド付きのアプリケーションデータベース移行機能を新たに追加しました。あわせて、スクリプティング、接続性、ファイル転送、プラットフォーム管理の各領域でも幅広い改善を実施しています。
すべてのメッセージデータに対する保存時の暗号化
PCI DSS、HIPAA、GDPR、SOX といった規制のもとで運用する組織にとって、保存時データの保護はコンプライアンスの基本要件です。Arc はかねてより機密性の高い設定値を保護してきました。しかし、内部ストレージディレクトリを通過するメッセージデータは、ディスク上にプレーンテキストのまま残されていました。
Arc では、AES-256-GCM によるすべてのメッセージデータの保存時の暗号化に対応しました。暗号化と復号化は透過的に行われるため、既存のワークフローを変更する必要はありません。ファイルはこれまでどおりプレーンテキストのまま、連携先(下流)のシステムや取引パートナーに配信されます。設定可能な4 つのモードにより、移行のペースは自社に合わせて調整できます。どちらの形式も受け入れながらプレーンテキストで書き込む「互換」から、プレーンテキストファイルを完全に拒否する必要がある環境向けの「厳格」まで用意しました。この機能はArc の既存のマスターキーメカニズムを利用するため、導入にあたって別途キーを設定する必要はありません。
組み込みのMCP サーバーによるAI 診断
複雑なマルチコネクタフローで問題が発生した場合、その診断には「トランザクション」タブの確認、アプリケーションログの取得、そして多くの場合は複数の画面にまたがるコネクタ設定の照合が必要になります。この方法でも対応できますが、時間がかかります。
Arc に組み込みのMCP(Model Context Protocol)サーバーを搭載しました。Claude Desktop、GitHub Copilot CLI、OpenAI Codex をはじめとするMCP 互換のAI クライアントから、稼働中のArc インスタンスに直接接続し、自然言語で対話できます。「今後30 日以内に有効期限が切れる証明書はどれですか?」「このメッセージのフローを追跡してください」「過去24 時間のAS2 エラーをすべて表示してください」といった問い合わせに、Arc のUI を操作することなく回答が得られます。このサーバーは、ワークスペース、コネクタ、メッセージ、ファイル、ログ、証明書、Vault エントリ、システムヘルスを網羅する14 の読み取り専用診断ツールを提供します。デフォルトで有効になっており、既存のアクセス制御はすべてそのまま適用されます。
バージョン管理機能の強化:ローカルリポジトリと読み取り可能な差分表示
Git ベースの構成管理はv26 でArc に導入されました。Q3 リリースでは、導入の障壁となっていた唯一の前提条件、リモートGit サーバーが不要になります。「ローカルリポジトリ」オプションを有効にすると、Arc サーバー上にスタンドアロンのGit リポジトリを直接作成でき、完全なコミット履歴、ブランチ、VCS アクティビティを初日から利用できます。後からリモートサーバーに接続したい場合も、履歴を失うことはありません。
すでにバージョン管理を利用している場合は、構成の差分が読みやすくなりました。コネクタ設定、共有接続、ワークスペース設定の差分は、生の統一差分テキストではなく、セクションごとにグループ化された構造化フォームで表示され、新旧の値を並べて確認できます。この表示は、コミット、破棄、復元、コミット履歴の閲覧など、設定変更を確認するあらゆる場面で利用できます。
組み込みのアプリケーションデータベース移行機能
Arc の組み込みデータベースでは対応しきれなくなったチームは、これまで難しい選択を迫られてきました。サードパーティ製ツールで手動移行するか、一からやり直してトランザクション履歴、コネクタの状態、監査ログを失うか、そのどちらかです。
Arc に、ガイド付きのアプリケーションデータベース移行機能を追加しました。[設定]>[詳細設定]から利用でき、外部ツールを使わずに、すべてのアプリケーションデータを組み込みデータベースからSQL Server、MySQL、PostgreSQL へ移行できます。データが失われることはありません。移行を開始する前にArc はセーフモードに入り、すべてのコネクタ、バックグラウンドサービス、受信エンドポイントを一時停止して、クリーンで一貫性のある転送を確保します。移行はテーブルごとに進み、その進捗はUI に表示されます。クラッシュリカバリも組み込みました。移行中にArc が予期せず終了しても状態は保持されるため、中断した箇所から再開できます。
新しいコネクタ、スクリプティング、接続性
今回のリリースでは、一般的な回避策を不要にする2 つのコネクタを追加しました。Python コネクタは、既存のScript コネクタと同じインターフェースを使用して、フロー内でPython をネイティブに実行します。AES コネクタは、メッセージコンテンツの暗号化と復号化をArc 内で直接処理します。GCM、CBC、およびその他5 つの暗号モードに対応し、これまでArcScript を利用していた方法を置き換えます。
ArcScript には、新たに_state アイテムを追加しました。コネクタインスタンスのスコープでキー/値を永続的に保存でき、重複ファイルの検出、ルックアップテーブル、実行をまたいだステートフルな処理に役立ちます。
接続性では、データベースコネクタとアプリケーションコネクタのデザイナーがJOIN に対応しました。SQL を記述することなく、複数の関連テーブルのデータを単一のクエリにまとめられます。n+1 クエリパターンのコストが高くつくSalesforce のようなレート制限付きAPI にとって、意義のある改善です。CData API プロファイルカタログには、Arc の「接続」ページから直接アクセスできるようになりました。NetSuite のカスタムスキーマも、ディスク上でのファイルの手動管理ではなく、接続設定UI から作成・管理できます。
XML Map のAI アシストマッピングは、より複雑なフィールド関係に対応しました。これまでスキップされていた1対1 以外のマッピングについても、ArcScript 変換を生成します。RBAC の対象は接続とフローAPI の両方に拡張され、トークンおよびOAuth のみの認証に対応する、自動化システム向けの新しいユーザーの種類「Service」が追加されました。
プラットフォームとファイル転送の改善
「アクティビティ」ページでは、類似したアプリケーションログエントリを「ログパターン解析」がグループ化します。ログ量の多い環境でも、繰り返し発生している問題を素早く特定できます。コネクタレベルのサービスステータスインジケーターが、「プロファイル」ページに移動することなく、SFTP Server、FTP Server、TCP Server、AMQP、MQTT、IDoc、OFTP、HL7 MLLP といったサーバー型コネクタのページに直接表示されるようになりました。管理API には、すべての設定とトランザクション履歴を保持したままコネクタをワークスペース間で移動するmoveConnector アクションと、ワークスペースのフロートポロジをJSON 形式でプログラムから参照するための2 つの新しいリソースが追加されました。eDelivery v2 AS4 プロファイルに必要な ED25519 署名証明書とX25519 鍵交換証明書の作成を、Arc がネイティブでサポートするようになりました。また「AS4 プロファイル」ページには、eDelivery V2 およびENTSOG V4 の取引パートナー向けに、署名用と復号用の証明書フィールドが個別に用意された専用の「個人証明書」セクションが追加されました。
ファイル転送では、SFTP およびFTP コネクタが、日付ベースのフォルダ構造に対応するリモートパスでの日付マクロをサポートするようになりました。Email Receive コネクタは、処理済みのメッセージを設定可能なアーカイブフォルダに移動できます。SFTP Server の新しい「切断時に確定(Finalize on Disconnect)」設定は、クライアントが完全に切断されるまでメッセージの確定を保留するため、アップロード後にフォローアップコマンドを発行するクライアントでのエラーを防止します。SFTP Server とFTP Server では、設定可能な「ホームディレクトリ」がログイン時の初期フォルダを制御し、cd コマンドを発行できない自動化システムに役立ちます。「Sent Folder」設定は非推奨となり、File コネクタによる成功パスに置き換わります。こちらは保存時の暗号化の対象です。コネクタのバックオフUI は、コネクタがバックオフ状態に入った際に明確なステータスインジケーターを表示するようになりました。未送信ファイルが蓄積している理由と、それを解消する条件を把握できます。
Q3 2026 リリースの導入について
オンプレミスをご利用のお客様は、ビルドページから最新バージョンをダウンロードできます。Arc Cloud をご利用のお客様は、サポートまでご連絡の上、アップグレードの日程をご予約ください。本リリースの詳細については、リリースノートをご確認いただくか、サポートチームまでお問い合わせください。
※本記事は CData US ブログ CData Arc Q3 2026 Release: Encryption, AI, Migration の翻訳です。
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